新型コロナ対策、新潟大学とオンヨネ(長岡市)がウイルス低減効果があるマスクを開発

発表を行う新潟大学大学院の榛沢和彦特任教授

新潟大学大学院の榛沢和彦特任教授は20日、新潟県庁内で、新型コロナウイルス感染症対策として、アウトドアウェアの開発・生産などを手掛けるオンヨネ(長岡市)と協力し、ウイルス低減効果があり、繰り返し洗って使える布製マスクを開発、販売にこぎつけたことを発表したほか、次亜塩素酸水を活用した新型コロナウイルス対策について説明した。

オンヨネと共同企画・開発したマスクは、一般的な布・ガーゼマスクの内側に装着するインナーマスクと、単体で同様の効果があるハイブリッドマスクのほか、野外活動用の制菌バンダナ、フェイスマスクの4種類だ。これらマスクは20日午後4時からオンヨネのホームページで確認可能であり、5月16日を目途に新潟県内の5か所で先行販売し、同23日を目途に全国で販売開始予定だという。

このインナーマスクは、防塵性の生地とウイルス低減効果がある生地の2重構造となっている。このうち、ウイルス低減効果がある生地には、酸化チタンやドロマイト水和物、酸化銀、金など複数の金属をナノレベルまで粉砕して練りこませることで、電荷が生じて繊維が帯電する光触媒繊維を使用した。これにより、発生した電荷やOHラジカルなどにより、繊維に接触したウイルスを死滅又は不活性化する構造だ。

さらに、単なるコーティングではなく、繊維に金属を練りこませることにより、約100回洗濯しても、8割程度の効果が見込めるという。国内外協力企業と500万枚の生産が可能であり、これら企業とOEM提携を進め増産体制を構築する見通しだ。新潟県や群馬県、大阪府、経済産業省には既に働きかけ原価+送料で提供予定で、一般の販売価格としては1200円(税別)だという。

一方、ハイブリッドマスクは、内側の生地にインナーマスクと同等の機能を持つ光触媒繊維を使用したものと、制菌繊維を使用した2種類がある。こちらもインナーマスクと同様、約100回洗濯しても、8割程度の効果があるという。

このハイブリッドマスクは直近で2万枚販売可能で、最大1日当たり5000枚の生産が可能であり、5月末までに合計12万枚までの生産体制が可能だという。一般の販売価格は光触媒繊維のものが2200円(税別)で、制菌繊維のものが2000円(税別)だという。このほか、野外活動用の制菌バンダナは2500円(税別)で、フェイスマスクは3300円(税別)となっている。

右からインナーマスク、ハイブリッドマスク、フェイスマスク、制菌バンダナ

また、榛沢特任教授は新型コロナウイルス感染症対策として、空気中のウイルスを減少させる重要性を説明し、効果的な方法として噴霧装置などを利用した次亜塩素酸水の活用を呼び掛けた。次亜塩素酸水を使用するに当たっては、PH5・0~6・5の中性に近い弱酸性の状態が最も安定し、ウイルスに対して効果が見込まれるという。次亜塩素酸水は、災害があった地域の避難所でも既に活用されており、玄関の打ち水や室内で噴霧するといった活用方法で空気中のウイルスを死滅又は不活性化させる効果があるという。

次亜塩素酸水

榛沢特任教授は、医療崩壊を防ぐためには、多くの医療スタッフや医療資機材が必要となる肺炎にかかる患者を少しでも出さないことが重要としたうえで、「様々な日本の技術力を活用し、産業界が一丸となって協力し、新しい提案を生み出していただきたい。自粛に加えてウイルスを減らす取り組みにより、この難局を乗り切りたい」と呼び掛けた。

【新潟県内のマスク先行販売先】
有限会社 イトウスポーツ 新潟市
株式会社 大塚スポーツ 新潟市
有限会社 サカモト 三条市
株式会社 オオミヤ 長岡市
パーマーク 長岡市

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