東京商工リサーチ新潟支店が2022年2月度の県内企業の倒産状況を発表、件数・負債総額ともに2ヶ月連続で前年同月比増
株式会社東京商工リサーチ新潟支店は2日、2月度の新潟県の企業倒産状況(負債総額1,000万円以上)を公表した。
それによると、倒産件数は9件。前年同月比で350.0%減(7件増)、前月比では▲10.0%減(1件減)で、2月度としては1962 年の集計開始以来61年間で46番目、1990年以降の33年間では25番目となった。
負債総額は12億2,100万円。前年同月比で811.2%増(10億8,700万円増)、前月比では46.2%増(3億8,600万円増)で、過去61年間で41番目、1990年以降の33年間では26番目となった。
産業別では、10産業のうち、「卸売業」が3件、「製造業」・「サービス業他」が各2件、「建設業」・「小売業」で各1件だった。原因別では、9件中8件が「販売不振」で、「放漫経営(事業上の失敗)」が1件。形態別では、9件すべてが「破産」。
業歴別では、「30年以上」が3件、「20年以上30年未満」と「10年以上20年未満」、「2年以上10年未満」が各2件。地域別では、新潟市で5件、三条市、新発田市、佐渡市、西蒲原郡で各1件発生した。
なお、負債総額10億円以上の大型倒産はなく、新型コロナウイルス関連倒産は1件だった。
東京商工リサーチ新潟支店によると、2021年の企業倒産は、コロナ禍における国や自治体、金融機関による資金支援や雇用要請助成金の特例措置延長などが効果を発揮し、47件と平成以降で最少となっていたが、2022年1月は単月で10件、2月は9件発生し、昨年の年間倒産の4割以上が2カ月で発生する形となっている。
同社は、「『実質無利子・無担保融資』(ゼロ・ゼロ融資)を始めとする資金繰り支援策が大きな効果をみせ、2021年の企業倒産は平成以降で過去最少となったが、2022年1月以降は前年同月比で大幅に増加している。多くの中小企業は、長引くコロナ禍で業績回復が遅れ、債務の過剰感が高まっているほか、今後は据え置き期間が終了し、返済が始まる企業も増加する。また、原油高や資材・原材料価格の上昇に加え、長引くコロナ禍、ウクライナ危機等の影響も懸念され、倒産抑制材料に乏しい感は否定し得ない」と分析した。