新潟県内の企業・事業所の新型コロナ対策商品アレコレ

26日に都内の感染者が13日ぶりに100人を下回ったものの、日本国内で新型コロナウイルス感染症の収束はなかなか見通せない。足元を見ると新潟県内でも新潟市を始め、県内各地で感染が相次いで確認されている。

こうしたなか、新潟県内でも新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、マスクや消毒用アルコール、医療用資機材、更には新型コロナの治療薬として期待されるアビガンの原料などの生産や販売に取り組む企業・事業所が出てきており、事態の収束に向け力強い後押しを行っている。

そこで新潟県内の企業が提供するコロナ関連グッズをまとめてみた。

【マスク】
新型コロナウイルス感染症が日本国内で広がりをみせ始めたころから、品薄状態が続いているマスクだが、新潟県内のいくつかの企業が洗って繰り返し使用できるマスクの開発・販売に乗り出した。

衣料品製造を手掛ける美装いがらし(糸魚川市)と同社グループの自社ブランドショップであるアオは3月10日、縛るタイプの耳ひもを使用し、洗っても伸び縮みが少ない衣料用ガーゼを用いたマスクの販売を開始した。アオのオンラインショップなどで購入可能であり、オンラインショップでは5枚セット1,500円(税別)で販売している。

アオのオンラインショップ「ao daikanyama」 /https://shop.ao-daikanyama.com/
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マスクはミシンによる細かい手作業で作られている。

ニット製品の製造を手掛ける桜井メリヤス工場(五泉市)は3月18日、洗って再利用できるニットマスクの販売を開始した。サイズは幼児から大人用まで4種類で各500円(税込)。同社のWebサイトで購入可能だ。

桜井メリヤス工場オンラインショップ/https://sakuraim.theshop.jp/categories/1380111
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ニットマスク4種類

アウトドアウェア開発・生産などを手掛けるオンヨネ(長岡市)は、新潟大学と協力し、光触媒技術などによりウイルス低減効果が期待され、約100回洗濯しても8割程の性能が保たれる布製マスクを開発した。新潟県内では5月16日を目途に県内5か所で販売となる見通しだ。販売するマスクは全4種類で、「インナーマスク」が1200円(税別)、「ハイブリッドマスク(光触媒繊維)」が2,200円(税別)、「ハイブリッドマスク(制菌繊維)」が2,000円(税別)、「制菌バンダナ」が2,500円(税別)、「フェイスマスク」が3,300円(税別)。販売店舗など詳細はオンヨネのWebサイトで確認可能だ。

オンヨネWebサイト/https://www.onyone.co.jp/mask/
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右からフェイスマスク、ハイブリッドマスク、フェイスマスク、バンダナマスク

ヘイゼル・トンプソン(新潟市東区)は5月15日、抗菌作用などを維持したまま50回以上使用できる「ディフェンダーマスク」を発売する。このマスクは大手繊維メーカーとタイアップし、マスクの布の中にエステ用のフェイシャルマスクなどにも使用されている伸縮性のある素材を入れ、肌ストレスを軽減するサラサラ仕様を実現した。オープン価格は1枚2,800円(税込)で、会社まで取りに来る個人には1枚から販売するという。個人向け販売詳細に関する問い合わせは同社(025-256-7772)で受け付ける。

ヘイゼル・トンプソンWebサイト/http://hazel-thompson.com/
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ディフェンダーマスク」。抗菌作用などを維持したまま50回以上繰り返して使用できる

 

一方、布マスクをつけている際の不快感を緩和する取り組みも進んでいる。アロマサロン美星(きらら、新潟市江南区)は、マスク専用のアロマスプレーを開発した。5月上旬からアロマサロン香癒(新潟市江南区早苗2-518-1)で、30ml入のスプレーとして800円(税込)で販売開始予定だ。

アロマサロン美星(きらら)Webサイト/http://www.kirara-kaori.com/
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マスク専用アロマスプレー

 

【消毒関連】
マスクと同様に品薄が続いている消毒用アルコールについても、厚生労働省が10日、高濃度エタノール製品の入手先として酒税法に規定する酒類製造者や販売者を追加すると通知したこと受け、新潟県内で新たに製造・販売に着手する企業が出てきている。

越後薬草(上越市)は、アルコール度数70度の高濃度アルコールの製造・販売に乗り出し、28日から同社「YASO」特設サイトのみで販売を開始する。社会貢献事業の一環との位置付けでの販売とし、同社は500ml1,000円(税抜)という、相場を大幅に下回る価格で販売する。さらに、売り上げの一部は上越市に寄付する考えだという。なお、同社では、電話やFAX、メールでの受付をしないほか、会社に直接買いに来ても対応は行わないという。

「YASO」特設サイト/https://yaso80gin.jp/
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ヤソアルコール70

マスクに関する取り組みで紹介したヘイゼル・トンプソンも5月11日、除菌機能もあるフェイス&ハンド用保湿液「ジェロントロン クリーン エッセンス3」(50ml)を発売する。アルコール度数を50%に抑えることで、手だけでなく顔にもつけて除菌と保湿をすることができるという。オープン価格は2,000円で、会社まで取りに来る個人には1個からでも販売する。個人向け販売や卸売販売希望の詳細に関する問い合わせは同社(025—256−7772)で対応する。

ヘイゼル・トンプソンWebサイト/http://hazel-thompson.com/
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除菌機能もあるフェイス&ハンド用保湿液「ジェロントロン クリーン エッセンス3」

このほか、消毒用アルコールとは異なるが、設備工事事業やエネルギー事業を手掛けるテクノナガイ(新潟市北区)は20日、新潟市北区役所に、酸性電解水(次亜塩素酸水)の生成装置を寄贈した。次亜塩素酸水はインフルエンザウイルスなど広範なウイルスや細菌の対策として被災地の避難所などで活用されており、新型コロナウイルスの低減にも効果が期待されている。

テクノナガイWebサイト/https://www.technonagai.co.jp/

【医療機関向け】
また、新型コロナウイルス感染症の最前線である医療機関での使用を主に想定した資機材の生産・販売に取り組む企業もある。

ナガワ(東京都千代田区)の新潟営業所は3月、新潟市内のある病院に新型コロナウイルス感染症の外来室として、同社が生産・レンタルする「スーパーハウス」を設置した。こうしたユニット型ハウスは通常、工事現場の事務所や倉庫として使われているが、新型コロナの拡大により医療関係の緊急仮設スペースとしてのニーズが増加しているという。ナガワは新潟市、長岡市、上越市に事業所を展開しており、県内でレンタル可能な保有棟数は約6,500棟だ。

ナガワオンラインショップ/https://www.nagawa.co.jp/
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スーパーハウスSH-H4型(ナガワ提供)

電気工事が不要の仮設ハウス「ソーラーシステムハウス」の製造・レンタルなどを手掛けるダイワテック(名古屋市)も、新型コロナウイルスの外来室にも使用可能なソーラーシステムハウスのレンタルを行っている。このハウスは太陽光パネルと蓄電池を装備し、一般的に2週間程かかる電気工事が不要で、すぐに利用できるメリットがあるほか、エアコンなどをはじめ室内設備も整っている。最近では、3月16日に阿賀野バイパスの建設工事を阿賀野市の坂詰組にこのハウスをレンタルした。なお、ダイワテックは今年2月、新潟市東区に営業所を開設した。

ダイワテックWebサイト/https://www.daiwatech.info/
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ソーラーハウスシステム外観

テントや間仕切りカーテンなどの製造販売を手掛ける当世館(新潟市中央区)は多人数を収容できる木骨テント「木bana 」(115万円~)や家屋型の個室空間テント「木bana FLEX」(215万円~)のほか、簡易パイプテントや大型テントなどの販売・保管などを手掛けている。同社製のテントは平素、イベント開催時の店頭販売スペースや授乳室などに使用されているが、最近は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、病院で新型コロナの外来室として使われているケースもあるという。

木bana FLEX

さらに、当世館は4月に入ってから、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策として、対面で向き合った際の飛沫感染リスクを低減する「面談用遮断フィルム」を開発、試作品の販売を開始した。遮断フィルム(幅102cm×奥行6cm×全高62cm)は専用の木製スタンドと合わせて1セット3,800円(税別)で、当世館の問い合わせフォームにて受け付けている。

面談用遮断フィルム

このほか、当世館では、より広範囲を仕切る透明フィルムシートも販売している。このシートは最近、飛沫感染防止のための広い空間の仕切りとして、事務所や店舗からのニーズが高まっているという。シートの料金は、幅4m×奥行2m×全高3mの空間を作る場合で、製作から設置工事まで諸々含めて約40万円となっている。

当世館オンラインショップ/https://www.touseikan.co.jp/tent/index.php
面談用遮断フィルムの注文問い合わせフォーム/https://www.touseikan.co.jp/contact/
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産科用品専門メーカーのリリー(新潟市東区)では3月、新型コロナウイルス感染症対策に有効な「ディスポ(使い捨て)不織布防炎カーテン」の全国販売を始めた。院内感染を防ぐために、カーテンをすぐに交換したいとの病院のニーズに合致した商品だ。同社では5年前から開発に着手し、3年の期間を経て新潟県内での納入にこぎつけ、この後も改良を重ねてどの施設にも対応できる準備が整い、正式に全国販売に至った。

リリーのWebサイト/http://www.lily.co.jp/
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全国販売される「ディスポ不織布防災カーテン」

サンアロー化成(佐渡市)では、新潟県との協働で、不足しているフェイスシールド(飛沫を防止する医療用防護具)の代替製品を開発した。製品はw297mm×h210mmで、額からシールドまでの空間は40mm。軽量で長時間の作業の負担にならないほか、ラバーベルトなどの採用により任意のサイズに調整可能という(男女・大人子供兼用)。また顔とシールドの間に空間があるので息苦しさはなく、メガネをかけたままでの装着も可能だ。このほか、上部スポンジ部に隙間があり、曇りにくい構造になっている。すでに本格製造に入っており、当面2万個を生産するという。なお販売元はサンアロー(東京都)となる。

サンアロー化成のWebサイト/http://www.sunarrow-kasei.co.jp/

フェイスシールドについて説明する花角英世知事(4月21日撮影)

そして、東証1部上場の化学メーカーであるデンカの青海工場(糸魚川市)では5月から、同工場の設備を再稼働させ、新型コロナウイルス感染症患者の治療薬として期待される抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」の原料となるマロン酸ジエチルの生産を開始する。同社はアビガンの国内薬事承認を進める日本政府から、国内での一貫した供給体制を構築するための国産原料を使用したいとの要請を受け、供給を決定した。

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青海工場全景

新型コロナウイルス感染症を収束に向かわせるためには産業界が一丸となり、日本の持てる技術を結集して必要な対策に取り組むとともに、国民1人1人が感染しない・感染させないための行動を心がけることが求められる。引き続き、新潟県でも行政・企業・県民が一体となり、新型コロナ収束に向け、粘り強い取り組みを続けていく必要があるだろう。

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