ツインバード工業(新潟県燕市)が新中期経営計画を発表

新中期経営計画を発表する野水重明代表取締役社長

家電製品など製造販売を行うツインバード工業株式会社(燕市)は27日、2020年から2022年の「新中期経営計画」を発表した。

同社では2019年1月11日に2018年度から2020年度までの中期経営計画を発表したが、同社を取り巻く環境が劇的に変化したことに加え、2019年に経営メンバーを大幅に刷新したことから、中期経営計画を見直した。「昨年の夏、新たに参加した役員と夏の合宿をしてツインバードのパーパース(目的)、存在価値、バリュー、行動基準について徹底的に議論した。それに加えて、全社員に、ツインバードのビジョン、将来のありたい姿について匿名のアンケートをとった」(野水重明代表取締役社長)という。

その新中期経営計画の骨子は、「TWINBIRDブランド価値向上」、「経営品質の向上」、「成長事業の進展」。

「TWINBIRDブランド価値向上」では、ロイヤルカスタマー(商品やサービスに対しての忠誠心の高い顧客)の創造を掲げている。具体的には、商品の良さを実感してもらい、つながりを維持しながら何度もリピート購入してもらう顧客の創出を目指す。

また、増加する単身・少人数世帯(コンパクトライク思考=SDGsへの共感、LOHAS、いいものを長く使い続けたい。自分らしさの追求=趣味やこだわり、人生の余暇を楽しむ)に向けて、商品ジャンルごとや生活シーンごとのシリーズ化などを図っていく。

組織面でも、従来の機能別組織(開発生産、マーケティング、営業)から、6つのビジネスユニットライン(調理商品、冷洗、クリーン生活、AV・照明・健康など)を設置し、商品開発から販売まで行う体制をとる。

「経営品質の向上」では、取扱製品の整理や高利益商品の販売量最大化など、商品ポートフォリオを最適化し、コストダウン、製造品質の安定化、在庫圧縮、生産性改善などを目指す。

商品別では、高付加価値・高収益商品である嗜好品(コーヒメーカーなど)で、他商品との差異化、新たな市場の創造などを重視。また、生活支援品(くつ乾燥機、酒燗器などのアイデア製品・小型家電)では、超ニッチ、写真映えなどを重視していく。さらに、必需品(冷蔵庫、洗濯機、クリーナー、電子レンジなど)では、競争が少ないポジションを狙って、ツインバードの独自性やデザインを重視していくという。

「成長事業の進展」では、効率的な海外販路や事業パートナーを開拓する。また、「化学・エネ」、「計測・環境」、「医療・バイオ」、「食品・流通」の4分野で、新冷却技術であるFPSC(フリー・ピストン・スターリング・クーラーの市場シェア拡大を図っていく。

FPSCは、地球温暖化係数ゼロのヘリウムガスを冷媒に使用し環境負荷を低減できるという。

同社では、中計の最終年である2022年度に、売上高134億円(2020年2月期121億5,900万円)、営業利益6億円(同1億7800万円)、経常利益4.5億円(6,600万円)、自己資本比率62%(54.6%)を達成する目標を掲げる。自己資本比率を高め、自社株買いやM&Aができる体制にしていく方針だ。

野水重明代表取締役社長

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