第10回新潟県新型コロナウイルス感染症対策本部会議が開催

新潟県は28日、第10回新潟県新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開催した。

冒頭、新潟県の花角英世知事は、「本日、新潟市で5名の新たな感染者が確認され、県内の感染者が75名となった。前回の会議から本日までに10名の感染が確認され、このうち感染経路を追えない方が5名となっている」と最近の新潟県内の感染状況に触れたうえで、「大型連休を控え、改めて外出の自粛、県境をまたぐ移動の自粛、休業要請への協力を強く呼びかけを行う必要がある。本日は、観光を重要な産業とする4つの県(新潟・長野・山梨・静岡)が共同で観光地への来訪の自粛を強く要請する宣言を行うこととしている。また、感染症の影響を受けている事業者の皆様に対して、国や県に加えて市町村でも独自の支援策が講じられており、制度の活用を広く周知していただきたい」と語っていた。

花角知事が触れた中央日本四県知事共同宣言は、ゴールデンウィークを迎えるに当たり、各県と観光地の事業者が協力し、国民に向けて観光地への来訪の自粛などを求める内容だ。これまで関係人口の増加を目指してきた新潟県にとってはまさに、苦渋の決断と言える宣言内容となっている。

会議終了後、ぶら下がりに応じた花角知事は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けている事業者に向けて、「国・県・市町村の各種給付金を、事業継続などに最大限ご活用いただきたい」と話したうえで、県の3年間実質無利子・保証料ゼロの融資(27日から金融機関で相談開始)や、国の最大200万円の持続化給付金(5月1日から申請受付開始)、更に拡充された雇用調整助成金のほか、市町村の独自の取り組みの利用を呼び掛けた。

国・県の事業者に対する各種支援内容

市町村による事業者への独自支援内容

また、花角知事は、県内でデイサービス施設を利用する複数の高齢者から感染が確認されている点に触れ、「感染拡大防止の観点から、大型連休明けの5月6日まで、デイサービス施設の利用を控えることが可能な方におかれては利用を控えていただきたい。また、近所の人々との親睦を図るお茶飲みやカラオケなども合わせて感染のリスクがある」として高齢者への外出自粛を呼び掛けた。さらに、これ以外の特に若い世代についても、自身に症状がなくても他の人に感染させるリスクがあるとして、ゲームコーナーなどで仲間と集まることや、屋外であっても大勢が長時間にわたって密集することを控えるよう求めた。

ぶら下がりに応じる新潟県の花角英世知事

花角知事が発言した後、4県から国民に向けたお願いの動画が上映された。今後、この動画の内容は県のホームページをはじめ様々な形で広報していくという。

4県の知事が国民に向けて来県の自粛を動画で呼びかけ

また、会議終了後の説明の中で、新潟県は、高齢者のデイサービス施設の利用自粛について、感染拡大防止の趣旨から行うものであり、この他の福祉施設と比較して人の出入りが多いことや、職員間で感染が広まった際のリスクを理由に挙げた。利用を控えるに当たってはデイサービスの事業者などと相談のうえで検討し、必要な人はこれまでどおりの利用を呼び掛ける一方で、糖尿病など持病がある人は重症化リスクがあるため、利用に当たって感染予防の徹底を求めた。

また、県教育委委員会は、5月6日までの県立学校の休業を10日まで延長すると説明した。県内の感染状況や国の緊急事態宣言の動向を踏まえて決定したという。さらなる延長については、国・知事の判断を踏まえて検討すするとした。加えて、県立の美術館なども同様に10日まで休業を延長するとし、この後の再開は状況を踏まえて検討するという。

このほか、土木部は、高速道路のデジタルサイネージなどを活用した不要不急の県をまたぐ移動に関するこれまでの注意喚起に加えて、5月6日まで新潟県警と合同で、県内2か所のサービスエリア(越後川口SA新潟方面、米山SA新潟方面)で、職員による注意喚起などを実施するとした。さらに、今後の対策のため、サンプル調査として、サービスエリア内の県外車両の調査なども実施するという。

加えて、大型連休中には、県立都市公園の利用が増加することが予測されるとして、感染拡大防止のため、29日から5月10日まで基本的に遊具、BBQ施設など一部園内施設の利用を禁止し、期間延長も検討するとした。場合によっては遠方からの来園を制限するため、駐車場の利用も制限するという。公園内での健康維持のためのジョギングや散歩についてはこれまで同様、咳エチケットや人との距離、長時間の滞在を控えるなど各自の予防を徹底するよう呼び掛けた。

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