新型コロナ対策で次亜塩素酸水が注目。新潟県内企業でも活用推進の動きが相次ぐ
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、県内の行政機関や企業を問わず様々な感染拡大防止策が取られている。この防止策の1つとして、新型コロナウイルスの活動低減に効果が期待される次亜塩素酸水の活用推進に向け、新潟県内企業が様々な取り組みを展開している。
次亜塩素酸水は、インフルエンザウイルスやノロウイルスなどの感染拡大防止の観点から、様々な被災地の避難所で噴霧装置が設置されるなど活用されてきた。さらに、経済産業省は15日、これまでに得られた調査結果を元に、有識者による検討委員会を開催。新型コロナウイルスに有効な可能性がある消毒方法として次亜塩素酸水を追加した。
このように次亜塩素酸水への期待が高まる中、酸性電解水(次亜塩素酸水)生成装置など様々な設備の販売・設置工事事業やエネルギー事業を手掛けるテクノナガイ(新潟市北区)は20日、新潟市北区役所に、酸性電解水生成装置を寄贈した。寄贈された装置は、北区内の3つの放課後児童クラブに設置されている。
テクノナガイの長井裕三代表取締役は、「放課後児童クラブでは学校の休校などで同施設を利用する児童が増加していました。この状況を受け、児童や保護者の皆さまが安心して利用できるよう、生成装置を寄贈しました」と話した。寄贈された酸性電解水生成装置は、生成用の塩をセットし、水道水とつなげるだけで簡単に次亜塩素酸水を作ることができる。子供が口に入れても問題ないため、放課後児童クラブのような施設にはうってつけの設備と言える。
また、酸性電解水生成装置は新型コロナ対策として、企業からの需要も高まっているという。手軽に次亜塩素酸水を生成できるため、社内で次亜塩素酸水を消毒用として活用するだけでなく、社員の福利厚生として自宅用に持ち帰ってもらうといった活用もできるようだ。
新潟放送(BSN、新潟市中央区)は28日、新潟大学大学院の榛沢和彦特任教授の「新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるための、微酸性・次亜塩素酸水の活用」との提言を受け、次亜塩素酸水の正しい理解と必要性を周知するとともに、県内メーカーのユニトライク(新潟市西区)と協力して、次亜塩素酸水の普及・供給活動に関する取り組みを開始したと発表した。
この3者は次亜塩素酸水の正しい知識提供と供給で、新潟県内の感染拡大を抑制したいとの共通目的の元、協力することで一致。一般家庭や公共団体のニーズを受け、可能な範囲で次亜塩素酸水の供給体制を構築していくという。
片山商事(新潟市東区)は30日、新潟県に対し、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、除菌用の次亜塩素酸水の生成装置の活用を申し出て、同装置(上の写真)を無償で貸与した。貸与する装置はテックコーポレーション(広島市)の電解水衛生環境システム「守る水」だ。
県庁では貸与を受けた当日から装置を稼働させるという。このほかにも、県は次亜塩素酸水を、ドアノブ・エレベータースイッチ・階段の手すりなど庁舎内の共用箇所の除菌のみならず、各課執務室内の複数人で共用する電話機・コピー機・会議テーブルなどの箇所のふき取りにも活用するという。
このほかにも、上越市内では、新たに次亜塩素酸水の販売に乗り出す企業もあるほか、同市の飲食店の中には取引先に次亜塩素酸水を配付する取り組みもみられるなど、草の根を含め様々な形で新型コロナ対策が展開されている。
こうした新潟県内の感染拡大を防止する意識の高まりは、必ずや新型コロナウイルス感染症の終息に資すると言えよう。さらに、冒頭で取り上げたとおり、次亜塩素酸水は新型コロナウイルスのみならず、広範なウイルスや細菌対策にも有効であるため、中長期的な感染予防対策の充実にもつながると言えそうだ。