国の補正予算による対策を踏まえ、新潟県が新型コロナ緊急経済対策を実施
新潟県は30日、新型コロナウイルス感染症の発生に対し、国の補正予算による緊急経済対策を踏まえ、事業規模2,361億9,100万円(事業規模は県の専決予算と連動する民間資金や市町村費等を含めた総額。令和2年度専決642億6,900万円)の新型コロナウイルス感染症緊急対策を実施する。このうち、6月補正前に必要な経費については、補正予算の専決を行う。今回の対策のほかにも、県は今後の状況変化を踏まえ、必要な対策を随時実施していくという。
新潟県の新型コロナウイルス感染症緊急対策は、喫緊の課題である「感染拡大防止策と医療提供体制の整備」や「雇用の維持と事業の継続」、「その他」の緊急事態措置及び事業者に対する協力金の支給と、経済のV字回復を後押しする「次の段階としての官民を挙げた経済活動の回復」と「強靭な経済構造の構築」の5項目で構成される。このうち、経済のV字回復を後押しする2項目については、6月の補正以降で、新型コロナウイルス感染症の状況などを見ながら対応していく見通しだという。
「感染拡大防止策と医療提供体制の整備」では、検査体制の強化と感染の早期発見、医療提供体制の強化、マスク・消毒液等の確保、情報発信の充実、学校の臨時休業を円滑に進めるための環境整備が盛り込まれている。これにより、クラスターの未然防止や、医療資機材・軽症者の療養施設の確保を含めた県内の医療体制の充実のほか、社会福祉施設等での感染拡大防止の徹底に期待が持たれる。
このほかにも、県立学校に通う子供たちに臨時休業時の学びを保証するため、1人1台端末配備やICTを活用した学習環境の構築を支援する「GIGAスクール構想」の加速が図られる。この構想は元々計画されていたが、全ての小・中学校にも適用すべく規模を拡大した。市町村立の小・中学校については市町村が実施する。
一方、県内経済への影響を最小限に抑えるための「雇用の維持と事業の継続」では、資金繰り対策、事業継続に困っている中小・小規模事業者などへの支援、生活に困っている世帯や個人への支援、雇用の維持のほか、税制措置に関する様々な特例が盛り込まれている。
このうち、資金繰り対策に関しては、27日から事前相談が行われている県の3年間実質無利子・保証料ゼロの融資(融資限度額、別枠3,000万円)、農業近代化資金の融資枠拡大(17・5億円から22・5億円に拡充。個人1,800万円、法人・団体等2億円)がある。
さらに、事業継続に困っている中小・小規模事業者等への支援については、国の支援策である売り上げが前年同月比で50%以上減少した個人事業主又は法人を対象とする持続化給付金(個人事業主最大100万円、法人最大200万円)とは別に、県として労働相談所・商工団体などで労働・経営・金融に関する相談を実施するほか、借り入れを行って雇用の継続を図る事業者に、専門家を派遣するといった経営安定化に関する支援を実施するという。
生活に困っている世帯や個人への支援としては、国の支援策である特別定額給付金(1人10万円)とは別に、県労福協による緊急小口資金の実施に要する費用の支援のほか、倒産や解雇等による離職者を支援する離職者生活ローン(10万円以上50万円以内)、新型コロナによる収入減となった人への勤労者生活支援特別融資制度(10万円以上30万円以内)など、このほかにも様々な側面から支援を実施する。
雇用の維持に関しては、国の雇用調整助成金の特例措置の更なる拡充とは別に、県として飲食店が行うデリバリー等への支援や再就職支援、佐渡市における雇用機会拡充の継続を実施する。
このほか、休業要請に伴う協力金の支給については、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の緊急事態措置として、施設の使用停止等の協力要請に応じて緊急事態措置の期間中(少なくとも24日から5月6日)、施設の使用停止等に全面的に協力した遊興施設、商業施設等を運営する事業者に対し、1事業者当たり10万円の協力金を支給するとしている。