新潟県と三菱自動車工業株式会社が、災害時における電動車両による支援などに関する協定を締結
新潟県は10日、三菱自動車工業株式会社(東京都港区)およびその販売会社5社と、災害時における電動車両による給電支援などに関する協定を締結した。新潟県の花角知事は「災害時にも必須な電気を確実に手に入れるため、機動性がある自動車のバッテリーを使うことは非常に有効」と期待を寄せる。
三菱自動車ではこれまで、2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震などの災害時にEV車・PHEV車を貸与し、人員と物資の輸送や電源確保の手段として活用。2019年に台風15号が接近した際にも、大規模停電に陥った千葉県南部にPHEV車12台を提供し電源として活用した。
災害支援車としても利用されている同社PHEV車は、車内コンセントから100V・1500Wまでの給電が可能。またPHEV車はピュアEV車と比較して、寒冷地・豪雪などへ強い点なども特徴となる。
今回の協定においても、災害時、県の要請で電動車両による給電支援の実施が可能となる。また、東日本三菱自動車販売株式会社や中越三菱自動車販売株式会社など販売会社5社も連携。カーボンニュートラルに向けた電動車両の普及促進にも取り組んでいくことも盛り込まれた。
締結式において花角知事は「災害時は停電が発生することもままあり、その際に避難所などの機能をどう維持するか。(被災地という)何が起きるかわからない中で、命を支えるために必要な『電気』を確実に手に入れるために、機動性がある自動車のバッテリーを使うことは非常に有効。安全安心を強化するものだと考えている」と話す。
また、販売店との協力関係を構築することで、被災地だけでなくその周辺地域や県外とも連携して広域的に支援できることにも期待があるという。
三菱自動車工業の若林陽介執行役員は「これまでの災害でも、悪路を走破して現場へ駆けつけた実績がある。災害はあってはならないが、いざという時の備えのためにお役に立てると考えている」と語った。
締結式の後には、県庁正面玄関付近にて給電のデモンストレーションとして、PHEV車から照明や暖房器具、電子レンジといった調理家電へ給電する様子を実演。花角知事はその後、実車を見ながら車両の特徴や給電の仕組みなどについて説明を受けた。