東京商工リサーチ新潟支店が「2020年4月度の新潟県企業倒産状況」を公表
企業倒産月次推移(東京商工リサーチ新潟支店提供)東京商工リサーチ新潟支店が、4月の新潟県企業倒産状況をまとめた。
レポートによると、4月の倒産件数は10件で、前年同月比2件の増加(25.0%増)。また負債総額は22億1,800万円で、前年同月の同3億8,900万円から470.2%の大幅増加となった。負債総額が20億円を超えたのは今年1月以来のことで、これは燕市の北日本物産株式会社が同15億5,121万円で破産手続開始決定となったほか、1億円を超える倒産が複数発生したことが押し上げた要因。
また前月比でみると、倒産件数は3月の12件より2件減ったものの、負債総額は3月の18億5,000万円より19.9%増。月次で倒産件数10件以上、および負債総額10億円以上となったのは、これで2ヵ月連続。
一方、10件の倒産を産業別にいていくと、「サービス業」が4件、「卸売業」が3件、「建設業」「製造業」「小売業」が各1件。原因別では、8件が「販売不振」で、「他社倒産の余波」と「信用性低下」が、各1件であった。
なお、新潟県内の新型コロナウイルス関連倒産は、4月30日時点で5件(うち4月は4件)。これは全国的な傾向と同様、インバウンド消失や外出自粛による来店減少の影響を受けやすい、宿泊業や小売業などの倒産が主体。また、元々経営が悪化していた中でその改善が遅れていたり、災害や消費税増税、暖冬・小雪などを要因とする売上減と手持ち資金が減少していた企業が、新型コロナウイルスによって倒産へ進んでいったという構図も、全国的な傾向と同じであった。
東京商工リサーチ新潟支店では、新型コロナウイルスと倒産について、「収束への見通しが遅れれば遅れるほど、事業継続意欲の減退も加わり、倒産だけでなく廃業の決断も増えると見られ、環境としては依然厳しい状態が続くと言わざるを得なく、企業倒産も増勢が続くと見られる。」と述べている。