「攻めのIT経営中小企業百選」に新潟からも選ばれる
経済産業省はこのほど、「攻めのIT経営中小企業百選2017」の選定企業40社を発表し、新潟から「そうえん農場」が選ばれた。
攻めの分野でのIT利活用に積極的に取り組む中小企業を選定するもので、2014年度から募集を開始。
2015年に33社、2016年に27社を選定している。そして今年5月31日に開催した「攻めのIT経営中小企業百選2017」選定企業発表会で、新たに40社が選定され、合計100社となった。
経産省の資料によると、そうえん農場は、大規模な米作りを営む農家。自らの自作地と、近隣からの委託地を合わせて約20ヘクタール(半径3キロ圏内に点在する約60箇所の、ほ場)を経営する。
従来の勘と経験、手作業によるノート管理に基づく労働集約型の農業から、ITを活用した生産活動に切り替えることで、農産物収穫量の増大による売り上げ拡大に取り組んでいるという。
具体的には、クラウド型農業生産管理システム(アグリノート)を導入し、 作業計画と作業日誌をもとに、様々な作業記録をデータとして残し、分析することで収穫量の増加や作業効率化を進めてきた。
そのうえで大規模化に伴って手間の増える水位管理などを支援するクラウド型水田管理システムも導入した。
この水田管理システムは、水田に通信機能搭載のセンサを設置。湿度、温度、水位、水温を自動測定し、田植えから刈り取りまでの水田の水位を、ほ場ごとにミリ単位で測定する。
そのデータはクラウドサーバーに蓄積されるため、PCや携帯端末などどこからでも確認することができる。
そして測定水位が許容範囲を超えたり、外部の天気予測情報から大きな水位の変化が予想される場合には、異常個所を素早く知らせてくれるため、速やかな処置が可能という。
同農園では、こうしたIT化で、過去5年間の売上高の伸びは約1・3倍超となったほか、水管理業務時間が半減された。
「攻めのIT経営中小企業百選」HP
http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/it_keiei/100sen.html