新潟県上越市の高田世界館が営業を再開
新潟県上越市にある日本最古級の映画館、高田世界館は新コロナウイルス対策で営業を自粛していたが、16日から営業を再開する。それに先立ち、高田世界館前の広場で、無料の屋外予告編上映会を5月第3週に開く。同時に前売り券販売も実施する。
上映会は5月第3週の晴れた日の午後7時から8時までで、定員は40人。高田小町広場の会場には3密を避けるため、約2m間隔でフラフープが置かれており、鑑賞はこのループ内から行う。高田世界館を運営するNPO法人街なか映画館再生委員会は、このままでは映像文化が萎縮してしまうという危機感と、従来より前売り券購入で高田世界館を応援したいという声が多くあったことから、今回初めて企画した。通常予告編は映画館内で鑑賞前に流れるが、屋外で自由に観ることでより一層映画の内容が分かり、前売り券販売につなげる狙いがある。
また、同企画後、「上越に明りを灯せ 高田ライトアップチャレンジ」と銘打って高田の各拠点をライトアップする企画も予定している。
同法人の岸田國昭委員長は「少しでも光を灯そうと考えた。高田観桜会もライトアップもなかったし、(上越市高田の飲み屋街の)仲町も暗くなっている。光を当てていきたい」と話している。
なお映画館は、特措法に基づく休止の延長を要請する施設には該当せず、「基本的に休止を要請しない施設」となるが、新潟県は徹底した感染防止対策を講じるよう求めている。劇場、観覧場、映画館、演芸場、集会場、公会堂、展示場に必要とされる対策は、次の通り。
①マスク着用の上、十分な座席の感覚(四方を空けた席配置等)が確保されること。②入退出時(入退出時の行列含む)や集合場所等において人と人との十分な感覚(できるだけ2mを目安に)が確保されること。③適切な消毒や換気等が行われること、などの徹底した感染防止対策が行われること。なおこれらの施設で開催する催物(イベント等)に関しては、参加するものが比較的少人数のものに限定することとする。
ただしこうした対策は、政府および県が示した「新しい生活様式」にも合致するものであるため、映画館等の運営主によって求められる特別なものではなく、一人ひとりが普段の生活の中で実践を要請されているものともいえる。
一方で7日には、新潟市中央区の市民映画館シネ・ウインドも営業を再開。同映画館では入場は原則として新潟市近隣の会員に限定するほか、人数も各回20名に限定するといった取り組みを行っている。