新潟県上越市の小嶋さんらが絵本を作成し、小学校に寄付する取り組み進める
新潟県上越市の内装業を営む小嶋宏志さん(40)は、仲間でプロジェクトを立ち上げ、クラウドファンディングで資金を集めて絵本を作り、小学校に寄付する取り組みを進めている。将来的には、上越市の偉人40人を題材にした絵本を作成し、小学校に配布する構想も浮上している。
プロジェクト名は「ヨモギ文庫復活プロジェクト」。小嶋さんを発起人として、上越青年会議所のメンバー約15人で立ち上げた。小嶋さんは大学で環境統計学を専攻した経験があり、環境への興味から里山の整備や自然との共生について考えることが多くなった。同時に、上越地域では昔は小学生がヨモギを摘み取り、業者に販売することで学校の図書を購入していたことを知った。この取り組みはヨモギ文庫と呼ばれ、1973年くらいまで続いていた。これを現代版にアレンジしようと、同プロジェクトを立ち上げた。
4月27日まで、「レディーフォー」でクラウドファンディングを実施、目標額120万円のところ、129万4,000円が集まった。資金はヨモギ文庫に関する絵本を作成する費用に充てるほか、返礼品の野草酵素ドリンクとジェラートの費用に充てる。返礼は6月から行う。絵本は同市内在住のイラストレーター、ひぐちキミヨ氏が脚本、イラストを担当する。150冊作成し、110冊ほどを同市内の小学校に配布、残りを同市内の書店などで販売する予定。
また、上越市の偉人シリーズでは、今年は同市出身で酒博士として知られる元東京大学教授の故坂口謹一郎氏の絵本を作成する予定。すでに絵本の制作費用を同市の地域活動支援事業に申請しており、申請が通れば10月には発酵食品を食べながら、作成記念式を行う。小嶋専務が所属する上越青年会議所はすでに上杉謙信、松平忠輝(高田城初代当主)の漫画を作成しており、同会議所と連携する予定。
小嶋さんは「上越市では偉人を40人と発表しており、今後、川上善兵衛(岩の原葡萄園創業者)の絵本などを作成し、40人すべてをシリーズ化してきたい」と話している。