第14回新潟県新型コロナウイルス感染症対策本部会議が開催
県に助言する“県版”の「専門家会議」を設置
新潟県は12日、第14回新潟県新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開催した。
冒頭、新潟県の花角英世知事は、県内の感染状況について「感染者数は4月の終わりからこの2週間、大きく減少している。現在の状況を分析・評価する必要がある」としたうえで、公衆衛生・医療・社会・経済などの有識者で構成される新潟県版の専門家会議である「新潟県新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」の設置に言及した。
この専門家会議では、県内の感染動向や県民生活への影響などを分析・評価した上で県に助言する。この助言を踏まえ、県は感染症拡大防止策や、生活者・事業者に関わる政策の立案・執行などについて対応する見通しだ。類似の地方自治体版の専門家会議は、いくつかの都道府県で先行事例があるという。
専門家会議は現状、10名の委員(公衆衛生分野2名、医療分野4名、社会・経済分野4名、県民・倫理分野1名)と、5名のアドバイザー(公衆衛生分野3名、医療分野2名)で調整中であり、県内の大学や医療分野、NPO法人の有識者などで構成される見通しだ。
ぶら下がりに応じた花角知事は、専門家会議の設置時期などについて、「会議を構成するメンバーは現在調整中だが、今週金曜には会議を開催したい。様々なデータを分析いただき、県内の感染状況を評価いただくとともに、今後の予測に繋がる分析をしていただくことを期待している」と話した。14日に見込まれている34県の緊急事態宣言の解除後の休業や行動自粛に関する要請に関しても、この専門家会議の有識者の意見などを踏まえながら判断されることになる見通しだ。
また、花角知事は、「現在の感染状況の分析・評価を行ったうえで認識の共有を図った。新潟県内の感染状況は、決して安心できるという意味ではないが、落ち着きを示しつつある」と話したうえで、新型コロナウイルスの感染状況や医療体制に関する資料を提示しながら説明を行った。
新潟県の資料によれば、直近2週間の感染経路不明な患者は、陽性が判明した日で見ると3名となるほか、県が緊急事態宣言の対象となった16日以降の週から現在に至るまで、患者数は大きく減少している。
さらに、新潟県は、都道府県別の人口当たりのPCR検査実施件数や検査陽性率で見ても比較的、検査件数が多く陽性率が低いところに位置している。
医療体制については重傷者の対応が可能な医療機関を15確保
また、新潟県内の医療体制をみても、4月末時点で411の病床と、宿泊療養ができるホテルを確保しており、いずれの施設にもまだ共に十分に余裕があるほか、重傷者の対応が可能な医療機関も15確保できているという。
医療従事者向けの宿泊施設を複数用意
このほか、花角知事は、日本旅行業協会の協力を得て、県が費用を負担する形で、新型コロナウイルスの対応に当たる医療従事者向けの宿泊施設を複数用意したことを明らかにした。この措置は、「感染リスクが高い中で業務に当たっており、家庭に戻ることに不安を感じる」との医療従者からの声に応え、県として環境を整えたものであり、5月18日から稼働を開始する見通しだ。