加茂市の藤田明美市長が会見。「コロナ禍により経済的な打撃を受けた方は多い。遠慮せずに市に相談して欲しい」
加茂市の藤田明美市長は12日、記者会見を行い、新型コロナウイルス感染症対策、今年度予定していた総合計画策定のスケジュールについて説明したほか、市長就任から1年経過したこと(2019年5月10日就任)に対する所感などについて語った。
総合計画、財政健全化計画について
総合計画の策定については、座談会などを通じて市民の意見を聞いたうえで今年度予定していた。だが、新型コロナの感染拡大にともない、3密を避けるため、座談会を開催できず、スケジュールが遅れているという。このため、「半年ずれ込んで来年度になる可能性がある」と話していた。また、意見を聞く手法についても、実際に同じ空間に集まる座談会形式だけでなく、3密を避ける手段などについても検討していくという。
行財政健全化推進計画については、「市民の意見を伺いながら策定した計画でうまくできた計画だと思う。ただ、まずはコロナ対策が(最優先で)あり、必ずしも計画通りにいかないところもあると考えている」と述べていた。
市独自の新型コロナ関連の経済支援などについて
新型コロナについては、「コロナ禍により経済的な打撃を受け、困難な環境の中に置かれている方が多くいる。遠慮せずに市に相談していただきたいと思う」と冒頭に語り、市独自の支援策などについて説明していた。
市では、国の「10万円給付」「持続化給付金(前年同月比で50%以上売上が落ち込んだ月が1ヶ月でもあれば申請の対象になる給付金)」などだけでなく、加茂市独自の経済対策も行っている。
具体的には、持続化給付金申請(予定)者のうち賃貸の事業者に建物などの賃貸料の2ヶ月分を補助する「家賃補助金」(上限10万円)、持続化給付金申請(予定)者のうち自己所有店舗の上下水道料金相当額(4月または5月請求分)を補助する「上下水道料金相当額補助金」(上限10万円)、雇用調整助成金の申請に要する社労士への手数料を補助する「雇用調整助成金促進補助金」(上限10万円)がある。現時点での申請件数はそれぞれ15件、1件、0件となっている。
また、持続化給付金がもらえるまでの「つなぎ資金の融資」について、「市内金融機関との調整が整い、本日から適用することができるようになった」という。
このほか、「加茂市奨学資金を借りている人で自宅通学者に1万円、自宅外通学者に3万円給付する「加茂市奨学資金貸付者給付金」について言及。「新たに奨学金貸付の申し込みが9件(自宅通学者6件、自宅外3件)あったので、給付金の申請件数は、自宅通学者55件、自宅外通学者92件の合計147件となっている」と説明していた。
市公共施設の休館状況などについて
臨時休館していた公共施設については、5月11日から「加茂土産物センター」が再開したほか、12日から図書館で、本の貸出と返却のみ再開したという。そのほかの施設は引き続き休館している。
市内小中学校の活動について
5月11日から18日までは、全校を学年別に分け、分散登校とし、この間、スクールバスを運行している。登校は各学年2回で、感染予防に最大限配慮したうえで午前授業、給食後下校になっている。今後については、政府の緊急事態宣言解除の動きや県内・加茂市・市近隣の感染状況を見ながら対応を検討していく。「はっきりとしいないが、半日登校など違った形になる」可能性もあるという。
就任から1年経過した感想について
就任から1年が経ち、この間に印象に残ったことを聞かれた藤田市長は、加茂市で新型コロナの感染者が確認(3月2日)され、中学校の卒業式延期を決断したことなどを挙げていた。「卒業式直前で、子供の気持ちを考えると、変更しないほうが良いのではないかと悩み、(決断するのに)勇気が必要だった」と振り返っていた。ただ、「感染者が出たことで困ったということではない。今後も発生する可能性もあり、その時は全力でサポートする」と語っていた。