新潟県阿賀町でドローンによる医薬品搬送実証実験が実施

株式会社エアロネクスト(東京都渋谷区)、セイノーホールディングス株式会社(岐阜県大垣市)、KDDIスマートドローン株式会社(東京都港区)、株式会社ACSL(東京都江戸川区)の4社が共同し16日、新潟県阿賀町でドローンを活用して医薬品を搬送する実証実験を行った。

実験では阿賀町の鹿瀬診療所から約5キロの場所にあるかりん薬局まで、医薬品をドローンで輸送。実際に診療所へ訪れた患者の協力により行った。

診療所から患者の処方箋がFAXによって薬局へ伝えられた後、タブレット端末を利用したオンライン服薬指導を実施。その後、医薬品を積み込んだドローンは、目視外飛行(一部区間は目視内飛行)により、約15分で診療所駐車場に到着し無事着陸した。

今回使われたドローンは、荷物が機体の内部に搭載できることが大きな特徴のひとつ。これにより、長距離を高速で移動することができ、また届いた荷物は自動で切り離されるなど、医薬品などの配送にとって運用しやすい構造になっている。さらに、特別な重心制御技術によって、飛行中に機体が傾いていても荷物は常に水平を保つような設計がされている。

実験に立ち会った阿賀町の神田一秋町長は、「今回の実験では課題を探っていくという目的があった。電波の問題や、JRや高速道路を通過する際の許可の問題など、現実的な課題が分かった。今回の実験によって、ドローン物流の可能性が高まったと感じた。今後さらに実験を繰り返しながら実現に向けていきたい」と話した。

阿賀町では薬局が併設されていない診療所が2ヶ所あるが、広範囲に集落が点在し、訪問診療で医師が持参していない医薬品を20キロ以上離れた薬局まで利用者が自分で受け取りに行く必要があるなど、高齢者負担が大きな課題となっていた。

今後阿賀町は、医薬品のドローン輸送実用化に向けた取り組みを引きつづき進めて行くという。

ドローンの特徴を説明をする株式会社エアロネクスト(東京都渋谷区)の田路佳輔代表取締役CEO

実証実験で使用されたドローン内部の様子

医薬品を搬送するドローンが飛行する様子

新潟県阿賀町の神田一秋町長

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