大光銀行(新潟県長岡市)が、2020年3月期連結決算を発表
大光銀行が15日、2020年3月期の連結決算を発表した。貸出など銀行本来の業務による収益力を表すコア業務純益は、26億6,300万円(対前年度比▲6億3,700万円)。これに一時的な変動要因である国債等債券関係損益を加えた実質業務純益は、21億5,700万円(同▲14億5,600万円)。
実質業務純益から株式等関係損益や与信関係費用等を差し引きした経常利益は25億8,700万円(同▲12億5,500万円)で、最終的な当期純利益は11億3,100万円(同▲14億8,100万円)であった。
コア業務純益の減益は、利回り低下により貸出金利息が111億5,600万円と、対前年度比▲4億7,500万円となったことが最大の要因。利回りの低下では有価証券利息も対前年度比▲7,900万円となったほか、保険手数料収入の減少なども響いて減益。実質業務純益は、減損処理による有価証券評価損のほか、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う市場急変による国債等債券関係(REITや外債含むが、投信の解約が最大)の損失を5億600万円(対前年度比▲8億1,900万円)計上し、利益を押し下げた。
経常利益については、株式等売却損益が21億500万円(対前年度比+12億6,700万円)でプラスとなったものの、実質与信関係費用を15億9,400万円(同+14億8,100万円)計上。与信関係費用は、うち12億円が取引先の粉飾決算での大口倒産による。実質業務純益の減少もあり、経常利益は減益となった。
収益以外の面では、貸出金残高が1兆601億円(対前年度比+99億円)。住宅ローンを中心とする個人向け貸出が3,149億円(同+125億円)、伸びにして4.1%の増加となった。事業者向け貸出は6,044億円で、対前年度比同▲57億円となったものの、減少したのは新潟県外の金融機関への運用向け貸出が減少したため。新潟県内事業者への貸出は3,626億円で、同+60億円。不良債権は187億円であった。
預金等残高は、136億3,000万円(対前年度比▲9,800万円)で▲0.7%。法人預金は増加したが、個人預金と公金預金が減少した。
実質自己資本は、連結で8.84%、単体で8.83%。国内の自己資本比率規制値を、いずれも大きく上回っている。
また同行は、2021年3月期の業績予想も公表した。経常利益は24億9,000万円、当期純利益は14億3,000万円を見込んでいるが、これらに新型コロナウイルス感染拡大の影響は織り込んでいない。6月頃でこのまま終息に向かい経済活動が通常に戻れば見込める数字であるものの、現状では今後の影響を加味しての算定は困難であるとしている。