緊急事態宣言の解除に伴い、新潟県が今後の方針を決定。全ての業種に対する休業要請を解除
政府が14日、対策本部会議で新潟県を含む39県の緊急事態宣言の解除を決定した。こうした中、新潟県では15日、午前中に花角英世知事と市町村長による意見交換会、午後には第1回新潟県新型コロナウイルス感染症対策専門家会議や第16回新潟県新型コロナウイルス感染症対策本部会議が相次いで開催された。
県対策本部会議の冒頭、新潟県の花角英世知事は、「昨日、新潟県を含む39の件について緊急事態宣言が解除されたことを踏まえ、本日は本県における県民の行動の制限、事業者への休業の要請、休校の対応などについてどう見直すか議論を行いたい。午前中に行った市町村長との意見交換や、先ほどまで行われていた県の専門家会議における有識者の皆様からの助言等を踏まえ、本県の最終的な対応方針を固めたい」と話した。
会議終了後、記者たちの取材に応じた花角知事は、市町村長と意見交換会や専門家会議の助言などを踏まえ、対策本部会議で決定した新潟県の対応方針を決定したとして、新型コロナウイルス感染症に関する県民や事業者へのお願いを発表した。
県民へのお願い―感染拡大を予防する「新しい生活様式の実践」を
県民に向けては、人と人との距離の確保、マスク着用、手洗いうがいの励行など感染防止対策の継続に加え、感染拡大を予防する「新しい生活様式」の実践を呼び掛けた。
さらに、県をまたいだ不要不急の移動については国内の緊急事態宣言が完全に解除されるまで厳に控えるよう注意喚起を行った。この点については、県境付近の市町村から不安の声が複数上がっており、そうした声なども踏まえた判断だという。
また、接待を伴う飲食店・カラオケ・ライブハウス・スポーツジム等、これまでにクラスターの発生が核にされている施設への出入りは極力慎重に判断すること、多人数での会食・飲み会を避け、お茶飲みの機会での食器の共有を避けるといった日常的な場面での留意点を含め、改めて注意を呼び掛けた。
事業者へのお願い―全ての業種に対する休業要請を解除。感染防止対策の徹底を
事業者に向けては15日付で、感染拡大防止策を最大限講じることを前提として、全ての施設に対する休業要請を解除した。ただし、再開に当たっては、業種ごとに策定される感染拡大予防ガイドラインや、国の専門家会議で示された感染拡大予防のための工夫等を踏まえ、換気や消毒、入場制限を始めとする各種措置を取ることに加え、時差出勤、自動車通勤やテレワークなど人との接触を低減する新たな働き方を引き続き進めることが求められる。
一方、県としては事業者に感染拡大防止に関する取り組みを促すため、金銭的なものを含めた政策面での支援を今後、検討していくという。
なお、休業要請は15日に解除となったため、7~20日まで県の休業要請に基づき休業した人に支給される協力金については、14日まで休業を続けていれば対象となる。
協力金に関する新潟県関連URL/https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/sangyoseisaku/jigyousya.html
県立学校の再開
現在、県立学校では臨時休業期間中に週1回以上の分散登校日を設定し、登校した児童生徒に対し、家庭での学習課題を与えたり、学習の進捗等を確認しているが、授業自体は実施していない。
緊急事態宣言の解除に伴い、県立学校に関しては、5月21日から31日までを一部休校期間とし、分散登校日を設定して授業を徐々に実施する状態に移行する。通常の学校再開は6月1日からとなる見通しだ。6月の再開後も地区ごとに時差通学を実施するなどして、通学時の混雑回避を図るという。
ただし、部活動に関しては6月以降も当面の間、授業の再開を最優先とし感染リスクをできるだけ低減するとの観点から、引き続き休止する見通しだ。
新潟県教育委員会は授業の遅れに関して、6月からの学校再開となれば、夏休みの短縮や学校行事の見直し、土曜日の活用などを行い工夫する中で1年分の学習はカバーできるのではないかとの見通しを示した。
ただ、学校を再開するに当たっては、昼食時の児童生徒間の距離を空けるといった取り組みに始まり、特別教室や図書館などの活用方法等を詰める必要があるなど、課題はまだまだ多いようだ。
第1回目の新潟県版の専門家会議が開催
第1回新潟県新型コロナウイルス感染症対策専門家会議では、新型コロナ対策を進めるうえでの基本的な考え方や県内の医療提供体制、感染状況の推移などについて共有を図ったうえで、事業者に対する休業要請・県民の行動自粛・学校休校の取り扱いなどについて議論したという。
さらに、新型コロナに関するデータを県民に提供する適切な方法や、新潟県の実情に沿った新しい生活様式を浸透させる方法、感染拡大防止対策を強化・緩和する場合の判断基準、地域ごとに抱える諸課題などについても話し合い、今後さらに議論を深めていく見通しだ。