新潟県新発田市が第4弾の緊急経済対策を発表
新発田市の二階堂馨市長は16日、新型コロナウイルス復興経済対策の第4弾(3億8,057万3,000円)を発表した。5月22日に開会する臨時議会に提案する。第1弾から第4弾までの事業費総額は8億1,617万7,000円で、「人口規模に対する緊急経済対策としては県内トップであると自負している」(二階堂市長)。また「第4弾の評価を得たうえで必要であれば、躊躇なく第5弾もうって、いっときも早く元の新発田に戻したいという決意」(同)とも話していた。
なお第4弾の対策は6事業からなる。
その1〜今・得プラン(宿泊)県内実施(事業費6,000万円)
月岡温泉での宿泊料金が割引となる「今・得プラン」を第2弾の経済対策として5月7日から新発田市民向けに始めたが、「ギアを一段加速して」(二階堂市長)して、対象を県内全域に広げる。2名以上の予約で1万円割引となるもので、期間は16日から7月31日まで。コロナ自粛の疲れを癒したい人など5,000組の利用を想定している。
併せて市内の旅館・ホテルに半額(最大5,000円引き)で宿泊できる事業も行う。
「(月岡温泉は)本来、休業要請の業種ではなかったが、営業自粛を自ら決断していただき、オール新発田でいこうということでご協力いただいた。月岡温泉は関連する業種の裾野が広く、新発田市の産業のプラットフォームでもある月岡温泉から経済復興の狼煙をあげていただくためにもしっかりと支援していきたい」(二階堂市長)と話していた。
なお6月1日から長岡〜燕三条〜新潟〜月岡温泉を結ぶ無料送迎バスが運行されるという(事前予約制)。
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その2〜月岡温泉下水道料金補助(300万円)
月岡温泉 旅館・ホテルの温泉排水処理料金(5月分)を補助する。なお月岡温泉の泉質は独特で、休館していたとしても排水を止めることができないという。
その3〜今・得プレミアム商品券・飲食券の発行(3億3600万円)
500円券が14枚綴り(7,000円分)のプレミアム商品券を5,000円で販売する(3万7,000セット)。購入希望券を広報しばたで各世帯に配布し、それと引き換えに購入する。「コンビニで購入できるよう現在調整している」(二階堂市長)という。またチケットは中小店舗のみで使える券(8枚)と、大規模店舗や中小店舗の両方で使える券(6枚)の組み合わせになっていて、地域の中小店の売上拡大にもつなげていくという。
500円券が13枚綴りのプレミアム飲食券(6,500円分)を5,000円で販売する(1万セット)。希望者は、ハガキなどで応募し希望者多数の場合は抽選となる。使用できる店舗は、昨年実施した同事業での店舗となる。販売方法は調整中だが、「各飲食店でも取り扱って欲しい」(二階堂市長)と話す。
6月15日を目標に実施したい意向だ。
その4〜ひとり親家庭生活支援(4,157万3,000円)
すべてのひとり親世帯(約1000世帯1,500人)を対象に、現金とプレミアム商品券を贈呈する。具体的には、高校生までの子ども1人に現金2万円、商品券7,000円を贈呈する。時期は6月上旬の予定。対象となる家庭は、生活保護受給者、児童扶養手当受給者、ひとり親家庭等医療費対象者など名簿で把握できる人に加え、市が把握していないひとり親も対象にする。具体的には「届出していない(市では把握していない)シングルマザーも相当いるようで、今までこういう人には行政は手を差し伸べてこなかったが、こういう人こそ一番苦しんでいる。行政としては探すことができないので自己申請していただき、(苦しんでいるということであれば)対象にさせていただく」(二階堂市長)と話していた。
その5〜学生に対する官民連携支援事業(110万円)
緊急事態宣言により親元に帰省できなかったり、アルバイト収入が減少したりするなど、生活の大きな変化に耐える敬和学園大学、新潟職業能力開発短期大学校、新発田病院付属看護専門学校に在籍しアパート・寮で暮らす学生(約300人、外国人留学生28人を含む)に対し、市内の企業と市が連携し食料品などの物資支援を行う(※15日に二階堂市長と関係団体で荷造りを行い、発送した)。「夏にも第2弾を実施したいと考えている」(二階堂市長)と話す。
また、希望する大学生に対し、特定定額給付金(国民1人に10万円支給)に伴う軽作業(短期アルバイト)で雇用支援も行う。
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その6〜新潟県休業要請延長対象事業に対する追加支援(1,000万円)
新潟県の休業要請が延長された事業者(接待付き飲食など)の休業に対する支援。家賃補助(新発田市緊急経済対策家賃補助金)とは別に、1事業者に5万円支援する。200事業者を予定。
二階堂市長は、「感染拡大防止はブレーキだと思っている。オール新発田で命を守るため、市民の皆様には大変な思いをさせているが、しっかりとブレーキを踏ませていただいた。それでも暗闇の中でただただ我慢をしてくれというわけにはいかない。市民の暮らしを守るのも私に与えられた任務だったので、我慢したら希望の灯火が見えるよう、第2弾の経済対策ではアクセルの部分も用意をした。これまでブレーキをしっかり踏んでそれでもアクセルにはしっかりと足をかけてやってきたが、ここへきて緊急事態宣言、県の休業要請が解除された。左足をブレーキに添えながらも今度はしっかりとアクセルを踏んでいくことになる」と話していた。