ささかみ農業協同組合(新潟県阿賀野市)の「えだまめ集出荷選別施設」を竣工、生産農家の作業で所得向上や作付面積の大幅拡大を目指す

えだまめ集出荷選別施設

ささかみ農業協同組合(JAささかみ、新潟県阿賀野市)は、このほど阿賀野市に「えだまめ集出荷選別施設」を竣工し、22日、竣工式と落成式を同施設で行なった。

えだまめ集出荷選別施設は、枝豆を搬入すると、洗浄・脱水から選別、計量、包装まで自動で行うことができる。阿賀野市ブランドの枝豆「えんだま~縁玉~」の栽培農家の作業を効率化することで、生産農家の作付面積の大規模化、所得増などにつなげていくとともに、えんだまの作付面積を現在の10ヘクタールから30ヘクタールに拡大し、新潟県が増加を目指している生産額1億円以上の園芸産地になることを目指す。

この地区では、水稲を基幹作物とした農業経営を主としているが、米価下落、米の消費量低下が続くなか、近年は農業所得の向上のため、新潟県も注力している「水稲プラス園芸」の複合経営を推進している。

この一環として、令和元年に栽培基準を定めA品に適合したものを「えんだま~縁玉~」としてブランド化した。この「えんだま~縁玉~」の集出荷の効率化や品質の向上を図るために、新たに集出荷選別施設と建屋(鉄骨造平屋、建築面積530.22平方メートル)を、2億8,696万1,785円をかけて整備した。整備に際しては国(令和2年度産地生産基盤パワーアップ事業、約1億1500万円)、新潟県(令和2年度大規模園芸産地創出事業、約2,000万円)、 阿賀野市の補助金(約2,000万円)などを活用し整備したという。

1日あたりの処理能力が従来施設の1トンから最大3トンにまで増えるという。

なお「えんだま~縁玉~」は、「地域の縁をつなぎ全国へ」をコンセプトに市内の畜産農家や植物性乳酸菌メーカーによるこだわり有機肥料を使って栽培した甘みと旨味の強い枝豆。新年度から、この度完成した集出荷選別施設で出荷作業が行われ、7月上旬から9月上旬までの出荷を予定している。

折笠勝一代表理事組合長は落成式のあいさつの中で「(えんだまは)特別栽培基準を設け、美味しいと好評を受けており、今までの選別施設が手狭ということで、この施設を整備した」などとあいさつした。

また落成式で来賓あいさつに立った阿賀野市の田中清善市長は、「人口が減少していて、食食生活も変わっているなかで、この地域では、これまで米を生産し農家の方が頑張ってきた。しかし、米の消費量が大幅に落ちてきているなかで県をあげて園芸振興に取り組んでいる。そうしたなかで、この美味しい枝豆を園芸の主力に据えてやっている。現在10ヘクタール生産してるが、これからは30へクタールの生産に向けて頑張っていく」などと話していた。

一方、落成式のなかで、阿賀野市の田中市長とJAささかみの折笠代表理事組合長が、ブランドの枝豆「えんだま」の振興に関する連携協定に署名した。具体的「食味・品質向上」「プロモーション」「他産地との差別化」などで連携していく。

えんだま(昨年7月撮影)

落成式の様子

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