新潟県村上市の高橋邦芳市長が会見。1年前の「山形県沖を震源とする地震」について振り返る
新潟県村上市の高橋邦芳市長5日、定例会見を開き、昨年6月18日に発生し、市内で最大震度6強を観測した「山形県沖を震源とする地震」について、「全国の多くの皆様から支援、応援を頂いた。同時に国、県もきめ細やかに迅速に対応して頂いた」と語った。続けて「保健師を中心に継続的なフォローアップ(心のケア)をさせていただいた。概ね日常を取り戻しているというのが実感」と語っていた。
また課題としては、津波警報が発令された際の避難、避難用物資などを挙げていた。このうち避難については、「概ねスムーズな避難をして頂いた」が、避難場所の周知が徹底されていなかったこともあり、いろいろなところに避難してしまったという。「こういう災害の場合は、ここに避難してほしいという場所がある。昨年9月に防災訓練を行ったが、今後も継続的に(避難訓練などに)取り組んでいきたい」と話していた。
また災害は24時間いつ発生するかわからないため、地震発生後から、海岸沿いにソーラー式の誘導灯の整備に着手。すでに2か所に設置済みで、「今後も随時整備をしていく」と話していた。
避難用物資については、ダンボールベッド、パーテーションなどが不足していることから、市では、確保に向けた作業を進めているという。
一方、今後、災害が発生すれば、コロナ禍のなかでの避難も考えられるが、高橋市長は、「インフルエンザなどの感染症対策はできている」としたうえで、「避難所となる公共施設で3密とならないようスペースを開けるといった取り組みを行っていく」と語っていた。また、避難者が多く公共施設だけでは足りなくなった場合も考えられることから、「学校の空き教室の活用の活用を検討していく」と話していた。さらに、民間宿泊施設の活用なども視野に入れているという。
なお、市では現在、第3時総合計画の策定に着手する段階で、「市民の安心安全、命、健康を守る視点で災害・感染症も含めていろいろなことを想定し、(計画の中に)落とし込んでいく」(高橋市長)と語っていた。