新潟県が原発に関する会議を開催、東電は「再稼働の安全性確保できた」
新潟県は5日、新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会を新潟県自治会館(新潟市中央区)で開催した。同日は、大学教授などの技術委員会委員や東京電力幹部がWeb会議システムで参加したほか、座長を務めた中島健京都大学複合原子力科学研究所副所長など一部の技術委員会委員は現地で会議に参加した。
会議では福島第一原子力発電所の事故原因の検証が報告された後、柏崎刈羽原子力発電所7号機の工事計画認可申請などの審査状況と、同発電所7号機における原子炉格納容器破損防止対策について東京電力から各委員などに説明された。
具体的には、代替循環冷却設備に加えて、地上式フィルタベントの組み合わせで設置変更許可を取得したことや、同設備の優先使用により放射性物質の放出を回避すると説明。同設備は、水を循環させることによって格納容器内の熱を除去し、放射性物質の放出を回避することができるもので、フィルタベントとは事故時に格納容器の圧力を下げ、原子炉の減圧、低圧注水を行えるようにするとともに、原子炉の熱を大気に逃がすことにより、炉心の損傷防止による放射性物質の閉じ込めをすることができるもの。
東京電力は、事故発生から7日間はCs-137(放射性セシウム)の放出はないことや、放出タイミングは38時間後から14日後としており、14日後に放出したとしてもCs-137の放出量は2分の1程度だと説明した。これに対して、委員から7日や14日という日数の根拠を示してほしいなどという質問が出て、東京電力は「実験に基づいている」などと答えた。
座長の中島副所長は会議のぶらさがり取材で代替循環冷却設備について聞かれ、「規制委員会で承認したもので、あとは県としてどう考えるかということだと思う。新たな方式をやったということで、個人としてはいいものだと思っている」と回答。また、福島第一原子力発電所の機器の損傷原因について津波だと主張する東京電力と、津波以外の原因だとする委員がいることについては、「白黒は付かないと思う。どういう教訓が得られるかというのが大事。可能性を否定することはしない」と語った。
会議終了後の東電の記者会見は記者会見を行い、牧野茂徳常務執行役原子力・立地本部長がWeb会議システムで参加し、「当社としては、代替循環冷却設備と地上式フィルタベントの組み合わせで、設置変更許可を取得している。再稼働に必要な安全性はこれによって確保できたものと考えている」と語った。