新潟県燕市のモニタリング2地点で、大気中のトリクロロエチレン濃度が基準値超
新潟県は8日、昨年度の年平均値が高かった県央地域の3地点で、大気中のトリクロロエチレン濃度のモニタリング調査を毎月実施しているが、5月の調査の結果、2地点でトリクロロエチレンが基準値を超えて検出された、と発表した。
5月25、26の両日(両日とも天候は曇り)に試料を採取。基準値130μg/㎥に対し、燕市殿島で150μg/㎥、燕市蔵席で180μg/㎥のトリクロロエチレン濃度を検出した。
昨年度は、この2地点を含めた全ての地点で環境基準を達成している。また、今回の結果をもって直ちに健康に影響が出るものではないという。
なお、トリクロロエチレンの環境基準は、年間平均値(12 回)により評価されることから、県では、今年度の環境基準の達成に向けて、引き続き調査結果を注視するとともに、以下の取り組みを進めている。
・県央地域の使用事業場に対し、トリクロロエチレンの使用状況や排出状況、操業上の異常などの有無の確認。排出抑制の指導。
・事業者へのガイドライン(今年3月に県が作成した「トリクロロエチレンの排出抑制に向けた自主的取組ガイドライン」)の周知や、今年度燕市が設置した産業と環境の両立に向けた検討会への参加など、関係機関と連携した排出抑制の取り組み促進。
・昨年度実施したアドバイザー派遣制度モデル事業で効果のあった取り組みを、立入検査時に使用事業者へ説明。
トリクロロエチレンは金属加工部品の脱脂などに使われ、健康への影響としては、中枢神経への障害、肝臓腎臓への障害、呼吸機能低下を及ぼすと言われている。また、腎臓がんのリスクが増加すると言われている。