(一財)新潟経済社会リサーチセンターが新潟県における外国人雇用のレポートを発表
一般財団法人新潟経済社会リサーチセンター(新潟市)は、「新潟県における外国人雇用の現状と雇用促進上のポイント」というタイトルの調査レポートを同センター機関紙「センター月報2020年6月号」に発表した。
同レポートによると、2019年10月末現在の全国の外国人労働者数は166万人となり、10年前より約110万人増加した。雇用する事業所も24万所となり、10年前から15万所近く増加している。厚生労働省によると、日本において外国人が就労活動を行うには出入国管理及び難民認定法で定められている在留資格の範囲内とされている。在留資格とは、日本国内で外国人が認められる活動を示す資格のこと。
一方、厚生労働省新潟労働局「新潟県における外国人雇用状況の届出状況」を見ると、2019年10月末現在の外国人労働者数は1万430人で、10年前と比較すると約6,500人増加している。雇用する事業所は1,909件となり、10年前の899所から1,000所あまり増加した。国籍別では、ベトナム(3,106人)が最も多く、以下、中国(2,589人)、フィリピン(1,640人)などとなっている。
次に産業別では、製造業(4,691人)がとくに多く、以下、卸売業・小売業(1,266人)、宿泊業・飲食サービス業(1,065人)、サービス業(1,043人)、建設業(758人)などとなっている。また、地域別のハローワークごとに見ると、ハローワーク新潟(3,356人)が最も多く、次いで、ハローワーク長岡(1,667人)、ハローワーク上越(1,210人)、ハローワーク三条(955人)、ハローワーク南魚沼(891人)などとなっている。
また、同レポートでは、燕市のフジイコーポレーション株式会社、聖籠町の株式会社堀川、燕市の株式会社アサヒの3社を取り上げ、県内の外国人雇用の事例を紹介している。そのうえで、雇用する際のポイントとして、誰もが働きやすい職場作り、継続した雇用、監理団体との連携の3点を上げている。
同レポートはまとめとして、日本の生産年齢人口は中長期的には減少することから、企業の人材獲得競争が激しくなることが予想されてきたが、新型コロナウイルスの感染は国内の雇用を取り巻く環境や働き方にも大きな影響が出る。今後は本レポートで取り上げた外国人労働者の雇用についてはもちろんのこと、雇用・経済全般について十分に注視していく必要があると結んでいる。