新潟県燕市のPR大使でフルート奏者の本宮宏美さんが、大河津分水通水100周年を記念する楽曲を作成
新潟県燕市は29日、同市PR大使のフルート奏者・本宮宏美さんが作曲した大河津分水通水100周年記念楽曲を発表した。燕市では、年間を通じて30の周年事業を計画しており、楽曲は同事業を中心に活用していくという。
大河津分水は、洪水の頻発していた信濃川下流地域の治水のため1907年に工事が着工。15年の歳月を費やし1922年に通水した。また、同じく信濃川下流の新潟市中央区と西区に位置する関屋分水も、2022年に通水50周年を迎える。
両分水路の周年に伴い2021年8月には、燕市を始めとする信濃川流域の自治体や国土交通省の信濃川河川事務所などが「未来につながる事業実行委員会」を設立。「今後の100年・50年」へ向けた周年事業の展開を計画する。
今回の楽曲について燕市の鈴木力市長によると、2021年に開催した「ふるさとコンサート」で本宮さんに作成をオファー。その時の様子について両氏は「即決だった」と振り返る。
29日の会見では、暴れ川をイメージした雄大な曲と、「大河飛燕」と名付けた穏やかなフルートの音色が響く曲の2曲をお披露目。本宮さんによると「組曲のイメージ」であり、今回の2曲以外にも今後追加していく。なお、「言語化できない部分で曲を作ってしまうので、題名をつけるのが大変」(本宮さん)らしく、1曲目については今後タイトルを決定するという。
本宮さんは曲へ込めた想いについて「1曲目は7拍子にして、(暴れ川であった信濃川や分水路建設に携わった)人々の割り切れない想いや不安感を表現したいと考えた。2曲目は高くなったり低くなったりする抑揚に、様々な困難に立ち向かいながら、より上を目指す燕の人を表しており、後半には半音ずつ上げる進行で一歩ずつ高みへ登っていく。音で人生の曲線を描けたらと思った」と語る。
そして「フルートの音色は言葉では語らないが、聞いている人自身が見てきた大河津分水や、生きてきた景色が思い描ける曲であればいいなと思っている」と話した。
鈴木市長も曲を聞き「暴れ川から始まる信濃川と、そのあとの(分水路建設後の)繁栄を感じさせるストーリー性のある曲。今日も改めて本宮さんの解説を聞いて、早くもう一度聞きたいと思った」と話した。
燕市では2022年に30事業の展開を予定する周年事業の各所で記念楽曲を活用していく。また、8月27日には「大河津分水サンクスフェスタ」と題して、川下り体験や花火大会などを行うイベントを開催するが、その際には同楽曲の生演奏も予定している。