財務省関東財務局新潟財務事務所発表の「景況判断BSI」が初めて3期連続で下降超幅が拡大

関東財務局新潟財務事務所の山岸徹所長

財務省関東財務局新潟財務事務所が11日発表した法人企業景気予測調査(4~6月期)によると、県内法人企業の景況判断BSIの現状判断はマイナス47.2ポイントで下降が上昇を上回る下降超となり、3期連続で下降超幅が拡大した。これは統計を取り始めた2004年以来初となった。

景況判断BSIとは前期と比較して「上昇」と回答した法人から「下降」と回答した法人を引いた社数構成比。新型コロナウイルス感染症の影響で国内需要が低下していることが下降の大きな要因となっている。

調査は5月15日時点のもので、新潟県内に所在する資本金1,000万円以上の法人から一定の方法により選定した215社のうち、176社から回答があった。なお、「電気、ガス、水道業」および、「金融業、保険業」は資本金1億円以上の法人から選定した。調査の方法は調査票による郵送、またはオンライン調査となる。

それによると、企業の景況判断BSIは、製造業では金属製品製造業、生産用機械器具製造業の影響が大きく、非製造業では建設業で市町村の工事案件が減少したほか、運輸業、郵便業の影響も大きかった。

企業収益では、2020年度の売上高は全体で前年度比0.8%の増収見込みだが、経常利益は同4.2%の減益見込みとなっている。売上高は大企業では同1.4%の増だが、中堅企業は同1.4%減、中小企業は同3・7%の減収の見込み。

業種別では、製造業は同0.4%増、非製造業は同1.3%増の見込みとなっている。経常利益では、大企業は同0.9%減、中堅企業は同22.2%減、中小企業は同56.1%の減と軒並み減益の見込み。業種別では、製造業は労務費が改善することから、同3.8%の増益見込みの一方、非製造業は同11.0%の減益見込みとなっている。

従業員数が「不足気味」と回答した企業数から「過剰気味」と回答した企業数を引いた従業員数判断BSIについては、6月末時点の従業員数判断BSIを見ると、全体で「不足気味」超幅が縮小しており、2012年以降33期連続で縮小している。先行きについても、全企業でいずれも「下降」が「上昇」を上回る下降超で推移する見通しとなっている。

一方、設備投資については、全体で同7.7%の増加見込みとなっている。大企業は同12.3%増と二ケタ増を見込む一方、中堅企業(同11.5%減)と中小企業(同74.5%減)は反動減で大幅に落ち込む見通し。業種別では、製造業は同2.7%減だが、非製造業は金融業がシステム投資で増えるため、同18.9%増と伸びる見込み。

関東財務局新潟財務事務所の山岸徹所長は「企業は先行きも厳しい判断だ。新型コロナウイルスの影響だが、さらに下振れリスクがある。新しい生活様式になったが、マインドが重要なのでまだ準備がかかるだろう。第2波、第3波もあることを考えると、補正予算などでの下支えがあるが、どこまで回復するか分からない」と話した。

こんな記事も

 

── にいがた経済新聞アプリ 配信中 ──

にいがた経済新聞は、気になった記事を登録できるお気に入り機能や、速報などの重要な記事を見逃さないプッシュ通知機能がついた専用アプリでもご覧いただけます。 読者の皆様により快適にご利用いただけるよう、今後も随時改善を行っていく予定です。

↓アプリのダウンロードは下のリンクから!↓