小柳建設株式会社(新潟県三条市)などが、人工芝充填材「寒土KANDO」に、もみ殻を配合した新たな人工芝充填材を開発、新潟県加茂市にて試験施工
小柳建設株式会社(新潟県三条市)は、株式会社COOOL(福岡県宗像市)と共同で、人工芝充填材「寒土KANDO」に、もみ殻を配合した新たな人工芝充填材を開発した。新潟県建設企業経営革新支援事業補助金を活用し、このオリジナル充填材を使用した冷却人工芝「COOOL TURF(クールターフ)」のテスト調査をスタートした。
従来の人工芝はメンテナンスが楽であるものの、真夏では表面温度が70度以上になることもあり、また、カビやニオイなどの衛生面、発がん性物質の問題、転んだ際の体への衝撃の大きさ、合成ゴムチップが河川などに流れ出て海洋汚染の原因の一つとなることなども問題となっているという。
こうしたなか、COOOLでは、冷却人工芝「クールターフ」の販売を2020年に開始。天然のココナツ繊維製チップや、石灰岩を砕いた「寒水砂」を使用した「寒土KANDO」を充填、これにより雨水や夜露などにより寒土に含まれる樹皮などが保湿され、従来よりもマイナス20度ほど表面温度を冷却できるという。また100%天然素材の充填材を使用しているほか、殺菌・抗菌・消臭なども実現していて、子どもやペットも安心して使用することができるという。
ただ、この「クールターフ」は、比較的温暖で、降雪の影響をほとんど受けない地域で施工、取り入れられてきた一方、気候条件がまったく異なる東日本、北日本地域での導入が進まない課題があった。
そこで小柳建設では、人工芝充填材「寒土KANDO」に、もみ殻を配合した充填剤を開発。この充填剤を使用した冷却人工芝「クールターフ」において、越冬・天候による劣化の調査を行ない、気候に左右されず、全国どの地域でも安心して使用できる天然素材の人工芝の普及を目指すことにした。
具体的には新潟県加茂市立加茂小学校の中庭を新潟県初の試験施工地とし、快適で衛生的な芝を実際に子どもたちに使用してもらいながら、越冬・天候による劣化、気温・湿度による芝の状態を月に3、4回のペースで調査、記録していく。