新潟港の水素利用ポテンシャルは約35万トン/年、新潟港カーボンニュートラルポート検討会がとりまとめ
国土交通省北陸地方整備局と新潟県交通政策局は、新潟港のカーボンニュートラルポート(CNP)化を令和2年度から検討しているが、このほど、令和3年度の検討会の内容をとりまとめた。
新潟港カーボンニュートラルポート(CNP)検討会にて、二酸化炭素排出量、水素・燃料アンモニアなどの需要ポテンシャルや利活用の方策などについて検討を行ってきたもの。
それによると、新潟港(西港、東港)においては、ターミナル内から約1万トン、ターミナル外から約1,184万トン、ターミナルを出入りする車両・船舶から約11万トン(出入車両約8万トン、船舶約4万トン)、合計約1,195万トン/年の二酸化炭素が排出されていると推計されるという。
この結果を踏まえ、現在の経済活動が将来も継続するという前提のもと、仮に、LNG火力発電所に水素20%混焼し、さらに水素を活用したメタネーションによる合成メタンガスの都市ガスへの混入、ターミナル内における荷役機械のFC 化などが100%実現した場合、水素に換算すると合計約35万トン/年、燃料アンモニアに換算すると合計約230万トン/年のポテンシャルが見込まれるという。
一方、新潟港周辺では現在、大規模な水素供給企業や設備は存在していないが、新潟カーボンニュートラル拠点化・水素利活用促進協議会(主催:新潟県)では、水素供給などに主眼をおいた新潟県域における「水素等サプライチェーンの構築」に向けた検討を継続して進める予定。
また新潟港周辺の港湾物流における輸送機械、荷役機械の脱炭素化の促進などについて実証試験も含めて検討を進めていくとともに、将来、需要増が見込まれる水素・燃料アンモニアなどの大量輸送への対応を可能とする受け入れ環境や広域連携輸送、新潟港の特徴でもある既存ガスパイプラインや臨港鉄道などを活用した供給体制についても検討を進めていく。
さらに、水素・燃料アンモニアなどの利活用に関する技術は実装までに一定時間を要することが想定されるが、2050年のCNP形成に向けて、新潟港において、短期的には技術実証、全国の港湾に先駆けた取り組みを行なうことを積極的に検討する。また中期的には、荷役機械やトラック・トレーラーのFC 化や水素ステーションの整備などを検討するほか、長期的には水素・燃料アンモニアなどの使用、増加に対応した受入・供給体制の構築にむけた検討する。
このほか、既存ガスパイプラインや臨港鉄道などを活用した広域供給拠点化の検討を進めるという。