新潟県や妙高市が活用を模索するワーク×バケーションの「ワーケーション」

新潟県内は自然も豊かで、ワーケーション要素は高い

働き方改革が進み、新型コロナウイルスの影響でテレワークを多くの企業が導入しているが、さらに「ワーケーション」という取り組みが注目されている。ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた言葉で、オフィスを離れて、別の場所で休暇も楽しみながら働く仕事の進め方のことだ。インターネットをはじめとした技術の進歩によって、職場に通わなくてもどこでも仕事をすることが可能となった。休暇と仕事を組み合わせるワーケーションは、仕事をしながら社員の健康や幸福感も高める仕組みといえる。企業側からすれば、社員の満足度をあげることで、離職防止や有能な社員採用につながる。また、大規模の災害時のバックアップ機能など、福利厚生以外の効果も大きい。

国内では、日本航空株式会社(東京都)が2017年7月~8月の期間に、最大5日間のワーケーションができる制度を取り入れて話題になった。同社はその後、18年11月から12月に鹿児島県徳之島町の「徳之島ワーケーション実証事業」にも参画。10人が3泊4日のワーケーションを体験し、滞在中は半日を通常業務、それ以外は観光や地元の人々との交流などをして楽しんだ。旅先での業務を認めることで仕事に対するモチベーションアップや心身のリフレッシュなどの効果が出たと実感する。

自治体で取り組みが進むのは、和歌山県白浜町。15年に総務省のテレワーク推進のための地域実証事業委託先に採択されたのを機に、セールフォースなど米IT企業の日本法人が続々と入居。三菱地所がワーケーションオフィスを同町に開業するなど、全国でもワーケーションの先駆けとなる場所となっている。

新潟県や妙高市でも推進

新潟県内でも動き出している。県では、「新潟県ワーケーション体験プログラム実証事業」のモデル地域を募集。ワーケーションに意欲的な市町村等の中からモデル地域を選定し、県が委託するワーケーションに精通する事業者と一緒に、地域の強みを活かした受入プログラムを、首都圏等の大企業やフリーランスが関心を示す内容に磨き上げ、体験プログラムを取り入れたモデルコースや宿泊ブランの造成、モニターツアー、情報発信に取り組む。

ワーケーションを推進するのは新潟県妙高市。同市妙高高原地域にコワーキングスペースやシェアオフィスなどのテレワーク研修交流施設の整備を推進。首都圏からの新たな人の流れの創出を図るため、来訪ターゲットとなり得る首都圏のワーケーションを希望するユーザー(企業の社員、フリーランスなど)のニーズに応えた誘客媒体(ウェブサイト、動画、パンフレット)を制作する。

アウトドアオフィス事業を展開する株式会社スノーピークビジネスソリューションズ(愛知県岡崎市)は株式会社JTB(東京都)と、ハワイでのワーケーションを推進し、「働き方改革」や「休み方改革」を支援する法人向けソリューションとしてのサービスを共同開発し、提供を始めている。そのほか、株式会社スノーピーク(新潟県三条市)は首都圏などで「アウトドアオフィス」も推進している。

ワーケーションを推進するスノーピーク

海外の人たちが旅先で仕事をする施設として利用するのが、コワーキングスペース。その地域のさまざまな人が利用するコミュニティに加えて、多様な人材が交差することで新しいアイディアが生まれる効果もある。新潟市内で海の家を構える「Sea Point NIIGATA」は、遊びも仕事もできる、新しい形の海の家としての位置づけだ。海の家を舞台に、フリーランスを中心に起業家が集まるコワーキングスペースと起業コミュニティを提供し、食事、、各種イベント、仕事など、シーンを変えて利用可能。関屋浜を見ながら仕事をすることができるため、今後ワーケーションの仕組みが広がれば、今後活用が注目されそうだ。

関屋浜に構えるSea Point NIIGATA

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