新潟県議会6月定例会が開会、花角英世知事が提出議案を説明

補正予算などを審議する新潟県議会6月定例会が16日開会し、花角英世知事は、提出議案説明の中で、原発、地域医療、佐渡金銀山、拉致問題などの県政課題についての見解を示した。

柏崎刈羽原子力発電所

まずは、柏崎刈羽原子力発電所に関して触れ、「昨年、広域避難計画に基づき住民が参加する原子力防災総合訓練を行ったが、本年度は原子力災害発生時における対応力の更なる向上を図るため、総合訓練に加え、夜間や積雪など様々な想定で個別訓練も実施していく。訓練では、新型コロナウイルス感染拡大防止の対応も想定しながら実施したいと考えている。柏崎刈羽原子力発電所については、現在、安全対策工事が進められているが、去る6月5日に開催した技術委員会において、東京電力から新たな安全性向上の取組などの説明があった。県としては、技術委員会において、福島原発事故の検証も踏まえ、原子力規制委員会の審査内容などに疑問が残る点について、確認を進めていく。福島原発事故による健康と生活への影響の検証や安全な避難方法の検証を含め、事故を踏まえた3つの検証を引き続き精力的かつ着実に進めていく」と話した。

地域医療体制の確保

また、地域医療体制の確保については、「県央基幹病院については、病床規模の見直しを踏まえ、スペースの有効な活用策などについて検討を進めてきた。検討の結果、新型コロナウイルス感染症をはじめとする感染症患者の受入体制の強化を図るとともに、個室に対する患者のニーズの高まりに対応するため、病院全体で個室数を増やし、より一層の感染症対策と患者の療養環境の向上を図っていくこととした。今後、病院の建設工事を進めていくため、関連する予算案を本定例会に提案しているところだ。急性期機能の集約による“断らない救急”の実現と周辺病院との連携により、医療の質の向上を目指し、早期の開院に向けて取り組んでいく」とした。

地域の活性化に向けた取り組み

地域の活性化に向けた取り組みとして、起業・創業の推進についても触れ、「新型コロナウイルスの感染拡大を契機に県民生活や社会経済活動で様々な変化が顕在化している今、こうした変化をビジネスにつなげ、地域に魅力ある多様な雇用の創出を生み出す起業・創業を活発化していくことは重要と考えている。本年度は、起業・創業へのチャレンジを支援する民間のスタートアップ拠点を県内各地で増やすこととし、新たな拠点を運営する事業者の公募を今月から開始したところだ。既設の拠点とネットワーク化を図ることで、官民連携の支援が身近で受けられる環境を全県に拡大していく。また、県内大学とスタートアップ拠点が連携した高度な起業家教育プログラムも先月からオンラインで開始した。今後、成長性の高い起業家予備軍の発掘につなげていきたいと考えている」と話した。

新潟ベンチャーキャピタルが昨年11月8日に、新潟駅南のスタートアップ拠点「SN@P」で開催した「スタートアッププルワリ―新潟」。交流会の間にLT(ライトニングトーク 5分程度のプレゼンテーション)が3セッション行われ、参加者は事業の失敗談や起業ノウハウなどの知見を共有する有意義な機会となった

佐渡金銀山

花角知事は佐渡金銀山について、「佐渡金銀山の世界遺産登録は人類共通の財産として価値を高めるとともに、本県のシンボルとして交流人口の拡大にも寄与する。今年3月、国の指導を受けて見直してきた申請書を国に提出した。国内推薦候補に選定されることを期待しており、引き続き登録への実現に向けて全力で取り組んでいく」と語った。

佐渡金銀山遺跡(北沢浮遊選鉱場)

拉致問題

また、拉致問題について、「去る6月5日に横田めぐみさんのお父さんの横田滋さんが逝去された。横田滋さんは長年に渡り救出活動に取り組んで来られたが、めぐみさんとの再会も叶わず本当に無念だったろうと思う。支援団体から要望を聞き、進展が見られない中で、ご家族はつらい思いをされてきたことを強く感じた。被害者の家族はご高齢になっており、一刻の猶予も許されない状況だ。一刻も早い帰国の実現を図るよう国に働きかけるとともに、国の後押しを図るため、県民の拉致問題に対する理解を深める取り組みを行う」と考えを示した。

花角英世知事

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