新潟市が「社会貢献型ショッピングサイト」を運営する株式会社クラダシ(東京都品川区)とフードロス削減強化に向けた連携協定
新潟市は31日、「社会貢献型ショッピングサイト」を運営する株式会社クラダシ(東京都品川区)とフードロス削減強化に向けた連携協定を締結した。クラダシは同日に新潟県とも連携協定を締結しており、関藤竜也代表取締役社長CEOは「食品産業が基幹産業である新潟県・新潟市と、連携協定を締結できたことを嬉しく思う」とコメントする。
社会貢献型ショッピングサイト「KURADASHI」は、賛同する食品メーカーなどから、従来は廃棄していた食品を協賛価格で提供を受け、安価な値段で消費者に販売するサービス。廃棄品を活用することによるフードロス削減に加え、売上の一部は購入した消費者が選択する社会貢献活動団体へと寄付する。
クラダシではこれまでにも大阪府や静岡市などの自治体と協定を締結。自治体との協力では、メーカー・生産者と消費者両方への周知の拡大が主な目的となる。現状でも新潟県、新潟市内の数社と取引があるが、今回の協定締結を期に加速してくことを狙う。また、クラダシでは地域創業の事業として、地域の人手不足の農家などへ学生を派遣し、収穫を手伝う事業も行っているが、関藤CEOは「今後、新潟市のどの地域でやっていくか協議を重ねたいと早速意気込んでいる」という。
新潟市の中原八一市長は調印式で「新潟市はこれまで、市民講座や小学校などへの出前授業、子育て世代向けパンフレットの作成など、家庭のフードロス削減を中心に取り組み、家庭系食品ロスの割合は、2018年の15.9%から2021年度の10.7%まで減少させている。(今回の協定を契機に)今後は賞味期限が迫った商品や規格外品の有効活用によって事業系フードロス削減についても積極的に進めたい」と話す。
また調印式のあとに中原市長は、市内の茶豆などで売り物にできない品が出ていることも関藤CEOに話し、今後の連携に積極的な姿勢を見せた。
なお、クラダシの出品者側は小売や生産者なども対象だが、現状は9割が食品メーカー。関藤CEOは「我々だけでは生産者へのアプローチは難しい。市のほうから声をかけてもらえばありがたい」と農業・漁業などが盛んな新潟における自治体との連携に期待を示す。また、「地域の特産品」をパッケージで販売する同社初の試みも「(新潟から)始めてみたい」(関藤CEO)と話し、フードロス削減に合わせて特産品のPRにもつなげていきたい考えだ。