佐渡汽船株式会社(新潟県佐渡市)がみちのりグループの一員として新体制発足、尾渡英生新社長「グループ一体経営を進めて行く」

佐渡汽船株式会社(新潟県佐渡市)は31日、株式会社みちのりホールディングス(東京都千代田区)傘下としての新体制を発足した。また同日、新潟県、佐渡市、上越市と佐渡航路の維持確保および活性化に向けた5者協定の締結も発表。新体制により、グループ全体の事業再建や価値向上などに取り組んでいく。

みちのりホールディングスが31日付けで佐渡汽船の株式および新株予約券を引き受け、みちのりグループの一員とした。佐渡汽船の取締役会長には、みちのりホールディングスの松本順代表取締役グループCEOが就任。代表取締役社長には、同じくみちのりホールディングスの尾渡英生グループディレクターが就任した。

記者会見では新体制の報告のほか、経営方針を発表。佐渡汽船グループ全体の経営方針のほか、船舶運航事業、陸上運輸事業、観光・旅行事業、物販・飲食事業、建物管理事業の各事業別の経営方針を示した。

尾渡社長は会見の中で、グループ全体での一体経営の取組みを強調。「佐渡汽船グループの中にはたくさん会社があるが、バラバラに最適化を目指してきた傾向がある。これをグループ全体で最適化を目指していきたい」と話した。

尾渡社長は2015年10月から2022年3月まで湘南モノレール株式会社(神奈川県鎌倉市)代表取締役社長に就任。2015年から新型コロナ感染拡大前までの期間で利用者を約13%向上させた実績を持つ。そして、コロナ禍のなか2年以上感染対策をとりながら湘南モノレールを経営してきた経験を「佐渡汽船でも活かしていきたい」という意向を表明。

また佐渡島は自然が豊富であることを挙げ「自然の中で観光できるのは、相対的に観光地として評価いただけると思う。コロナから回復していく段階において、佐渡に来てもらえるように進めて行きたい」と語った。

また31日に新潟県、佐渡市、上越市と締結した5者協定について松本会長は、「自治体が佐渡汽船の今後を応援してくださるという事で大変ありがたい。みちのりホールディングスとしても佐渡汽船を後押ししていく」と語った。一方、現在の航路の維持については「小木-直江津港路の維持は使命だと思っている。ただ、長年維持できるかは不安もある。自治体や国からも支援をいただきたいと思っている」と述べた。

佐渡汽船株式会社の松本順取締役会長(写真左)と、尾渡英生代表取締役社長(写真右)

佐渡汽船株式会社の松本順取締役会長

佐渡汽船株式会社の尾渡英生代表取締役社長

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