新潟県新発田市の二階堂馨市長が、新型コロナ復興経済対策の第5弾を発表
新潟県新発田市の二階堂馨市長は22日、会見を行い、同日6月市議会で可決された新型コロナウイルス復興経済対策の第5弾の概要を明らかにした。第1弾から第5弾までの事業費総額は10億8,192万6,000円。
「今得プランアゲイン、今得プランプラス」
月岡温泉での宿泊料金が割引となる「今得プラン」を第2弾の対策で市民向けに、第4弾の対策で新潟県民向けに実施したが、県をまたぐ往来自粛が解除されたことから、今回は「今得プランアゲイン」と銘打って、県内外のすべて人を対象に実施する。2名以上の予約で1万円割引となる。
コロナの影響で月岡温泉などの観光客数が大きく落ち込んでいるなか、市では第4弾の今得プランを5月中旬にスタート。「瞬く間に完売となった施設もあった」(二階堂市長)が、その後、6月に入り、新潟県が「『つなぐ、にいがた。』県民宿泊キャンペーン」をスタートし、その利用者の「3割が月岡温泉を利用した」(同)という。さらに7月1日から今得プランアゲインを実施することで、8月にずれ込んだといわれる国の「Go Toキャンペーン」までの間に、「エアポケット」(二階堂市長)が生まれることを防ぐ。
また、今回は市内の飲食店(現在63店舗が登録)も割引対象となる。
一方、国のGo Toキャンペーンは全国各地の有名温泉地と誘客で競争していくことになるため、市ではGo Toキャンペーンに実施に合わせ、
・1泊3食プラン(宿泊施設での2食に加え、翌日に昼食の際に市内飲食店で食事)
・二次交通に対する補助(月岡温泉〜市内へのタクシー代金)や二次交通の充実シャトルバス運行)
・タクシー、土産品購入に使えるクーポン券の発行(1人3,000円分)
を実施し、観光客から選ばれるようにしていく。
「農業者支援(花き・肉用牛分野)事業」
価格下落や消費落ち込みなど新型コロナウイルスの影響が顕著な「花き」「肉用牛」について生産農家の所得確保、生産意欲の向上、ブランド化を図る事業を展開する。
例えば、「村上牛などブランド肉のほうが価格の下落幅が小さかった」(同)ことから、新発田産「にいがた和牛」のブランド化を目指す。具体的には、農家が導入する子牛の購入経費を支援(1頭10万、最大50万円)するほか、新発田産にいがた和牛を提供する外食産業の仕入費を助成(4等級以上の和牛の仕入額の20%以内)する「(仮)新発田乃殿様和牛消費拡大支援」を行う。
「新発田市は、子牛の飼養頭数は県内ナンバーワンだが、出荷頭数は150頭にとどまっている。しかし地域ブランドを名乗るためには200頭の出荷が必要。そのため、まずは出荷頭数の拡大を目指す」(同)ことにしたもの。
花きについては、花き農家から季節の花を買い上げ、公共施設などに展示するほか、国の持続化給付金の対象にならなかった花き農家に市独自で給付金5万円を支援して経営を支える。
「プレミアム券や現金の支給」
このほか、感染防止のために住宅や店舗を改修する経費を助成する「住宅・店舗改修経費事業」、生活困窮世帯にプレミアム商品券(1世帯7万円分)を支給する「生活困窮世帯への経済支援」、学校休校で子供の食事費など出費増に見舞われたひとり親家庭に現金(1世帯5万円)を支給する「ひとり親家庭への経済支援」、コロナ禍による精神的負担に寄り添うため、臨床心理士などが電話や対面で相談にのる「自殺防止対策事業の強化」などの事業が並ぶ。
二階堂市長は、「(第1〜4弾で行った)今得キャンペーンの実施、プレミアム商品券や飲食券の発行の経済波及効果は3億円。今後も地に足を付けた形でやっていく」と話していた。同時に、ピーチの新潟〜関西便が再開したことを受け、「7月に入ったら関西にトップセールスに行きたい」(同)と語っていた。
また、多くの自治体では、国の交付金額が決まってから、それに合わせて事業を決めていくが、新発田市では、迅速に実施できるよう交付額決定前から、事業の策定作業を進めてきたという。「10万人都市では画期的」(同)という給付済み率97%に達している定額給付金の支給作業と合わせ、「職員は連休も休むことなく、対応してきた。私はあまり職員を褒めるほうではないが、褒めてあげたい」(同)と話していた。
なお、数日後に各自治体への交付金額が判明する見通しということだが、それを使った第6弾の実施についても職員に指示しているそうだ。