益田浩副知事「新潟県宿泊キャンペーンは枠の拡大や延長もありうる」
新潟県の益田浩副知事は23日、にいがた経済新聞社のインタビューに応じ、新潟県宿泊キャンペーンについて、枠の拡大や延長の可能性もあるとの見解を示したほか、地場産業と観光を結び付けた三条市の工場見学のツアー化などの提案を明らかにした。
「つなぐ、にいがた新潟県民宿泊キャンペーン」は好調に推移
益田副知事は国土交通省の運輸出身で観光分野に明るく、副知事就任後は月2回ペースで県内の観光地を訪れ、これまで約3年間で50回ほど旅行しているという。益田知事は「平日の夜に1人で下越や中越の温泉地で泊まって、料金を払って主人や女将と一緒に2、3時間かけてご飯を食べる。そこで意見交換をする」と話す。
6月1日からスタートした「つなぐ、にいがた新潟県民宿泊キャンペーン」が好調に推移していることから、益田副知事は「予算の関係もあるが、一杯になれば今後、枠を増やしたり、8月から予定されている国のGOTOキャンペーンが遅れることがあればキャンペーンを延長したりすることもありうる。利用状況を見ながら、県としても検討する」との考えを示した。
新潟県内の温泉地の売り出し方については、「新潟県人は真面目で、プロモーションが平板だ。私はひねればいいと言っている。例えば、月岡温泉は硫黄の量が多いので、“美人の湯”として売り出せばいい」と話す。
新潟県の観光全般については、「日本全体では国内観光は下火と言われているが、昨年の県内の観光は前年比プラスだ。新潟はまだまだ需要の掘り起こしができると思っている。新潟の強みは下越、中越、上越とそれぞれ表情が違い、何回来ても楽しめる。東京から新幹線で2時間というもの利点だが、まだ知られていないのがもったいない。今後は例えば、三条市などの金属加工の工場見学ツアーを整備し、観光につなげれば他の地域にはないものができる。地域の地場産業と結び付ければどんどん広がるのではないか。十日町の大地の芸術祭は成功している」と話した。
インバウンドについて、「しばらくは厳しいが、新潟県内では一昨年は40万人、昨年は45万人だった。昨年11月から2月までも前年比プラスだった。県内は台湾の人が多く、インバウンド全体の約2割を占めている。佐渡のたらい船の人気がある。なぜかというと、宮崎駿監督の映画『千と千尋の神隠し』にたらい船が出てくるためだ。台湾では、たらい船に乗った写真をSNSに乗せることが一時期とても流行った。日本酒を売り出すといってもすべての国に通用するわけではなく、例えばタイでは国の政策で、酒やたばこなどの嗜好品はテレビCМが出来なかったり、販売時間が限られていたりするので、展開するのは難しい。また、海外向けのポスターとして、錦鯉とたらい船を描いたものを作ったが、新潟県にしかないものをアピールしないとだめだ」と他の自治体との差別化の必要性を語っていた。
NGT48は新潟県の財産
また、自身がNGT48のファンであることもあり、「花角英世知事もNGT48は新潟県の財産だと言っている。全国に6つしかいないグループが札幌や仙台、金沢にもなく、新潟にあることはすごいことだ。どういかすべきかを考える必要があるだろう。過去に事件があったが、現在は支配人や経営者も交代しており、今度新しくCDも出すので期待している」と話す。