新潟経済社会リサーチセンターが「キャッシュレス決済」に関する調査レポート
一般財団法人新潟経済社会リサーチセンターが、「キャッシュレス決済」に関するアンケート調査結果をまとめた。
調査は、県内のキャッシュレス決済の利用動向を把握する目的で、4月中旬から下旬にかけて新潟県内勤労者400人を対象に、インターネットにより実施されたもの。キャッシュレス決済のトピックとしては、2019年10月から2020年6月末までを期間とする「キャッシュレス・消費者還元事業」により、消費者は対象の店舗でキャッシュレス決済をすると、最大5%分のポイントが還元されることとなった。
「キャッシュレス・消費者還元事業」の対象となる決済手段は、「クレジットカード」「デビットカード」「電子マネー/プリペイドカード」「スマートフォン」。全ての回答者に対して、このうち1年間で利用したことのある手段について尋ねたところ(複数回答可)、最も多かった「クレジットカード」が86.3%。次いで「QRコード決済(PayPay、LINE Pay等)」が47.3%、カード型の電子マネー(Suica、WAON等)が39.5%となった。一方、「利用しなかった」は、6.8%であった。
この上で、キャッシュレス決済を利用したことがある人に対し、「キャッシュレス・消費者還元事業」の開始前と後での利用頻度の変化を尋ねた。結果、「増えた」「やや増えた」の『増加派』の割合が59.5%と、過半を占めた。また、『増加派』の人がキャッシュレス決済が増えた理由としては、「利用時にポイントや割引サービスを受けられるから」の69.4%、「政府のキャッシュレス・消費者還元施策を受けられるから」の64.9%が際立って多かった(複数回答可の結果)。
一方、調査では、キャッシュレス決済を利用した人に対し、その利用頻度が増えた場所についても尋ねた(複数回答可)。結果は、「コンビニエンスストア」が52.8%。「スーパー」が50.9%、「ドラッグストア・薬局」が44.0%の順となった。
この結果に対し、キャッシュレス決済の利用に、「キャッシュレス還元事業」の対象店であることを重視して買い物をする店を選んだ人は、同質問に対して「あてはまる」「ややあてはまる」と回答した人を合わせた割合の、36.8%。この『重視派』の割合は、20代、30代、40代で高く、『非重視派』は50代、60代で高い。若年層の方がポイント還元を重視していることがうかがえる。
調査結果からは、「キャッシュレス・消費者還元事業」が、キャッシュレス決済を増加させていたことが見て取れる。また、新型コロナウイルスの感染拡大により、ネットショッピングでのキャッシュレス決済の増加や、対面での買い物における感染防止の観点からのキャッシュレス決済に切り替える動きも、その一因と考えられる。
なお、レポート全文は同センター機関誌「センター月報2020年7月号」に掲載している。