新潟出身の19歳女性起業家 ・坂内綾花氏
“不選択で購入”するという新しい購買体験を提供
フォーチュンファクトリー(東京都練馬区、坂内綾花社長)は「開けてみるまで何が入っているか分からない」箱という新しい購買体験をネット通販で提供している。例えば7月19日から8月23日まで販売している「フォーチュンボックスNO・3【新潟スペシャル】」は新潟県の複数の商品が入って価格が設定されていることが分かっているだけで中身は謎だ。こうした消費者自身の〝不選択による購入〟は、代表的な例では福袋やミステリーツアーなどが有名。坂内氏は「不選択の市場がどんどん広がってほしい」と話す。
同社ではすでに「特別お試し版」から今回の「新潟スペシャル」までボックスを4回、クラウドファンディングサイト「CAMPFAIR」と自社サイトで販売している。
商品探しは坂内氏がキュレーターとなって展示会や時には地方銀行が開く地元企業の商品の展示会などに足繁く通い商品をみて、その上で生産現場などに出向いて吟味したものしかボックス内には入れない。生産したメーカーや生産者、商品の説明を書いた資料を添付する。「新潟スペシャル」でも新しい農産物の生産に挑戦しているメーカーや伝統的な商品を再構築して新たな価値を付けた商品など坂内氏が生産現場に足を運ぶなどして選んだ8~10社の8~10商品が入っている。
7月からは愛媛県今治市のタオルメーカー、藤高が製造した高級タオルで形状に特徴がある「新変形タオル」(税抜き6000円)を同社のブランド「五感プレミアム」として販売を開始した。ボックスだけでなく事業拡大に意欲的だ。
坂内氏は新潟県出身で19歳の若き起業家。フォーチュンボックスを始めたキッカケが実家からの仕送りの品。何が入っているのだろうと開けてみないと分からない楽しみをクラウドファンディングを活用して事業化した。
当面の売上高の目標が1億円。今後「コーヒー好きのキュレーターや、栄養士による減塩をキーワードにしたボックスなどを開発し多くのメーカーや生産者のPRをしていきたい」と事業拡大の夢は膨らむ。