新発田市が米輸出に特化した「新発田市米輸出促進協議会」の設立総会を開催
新発田市は3日、米輸出に特化した事業を展開する「新発田市米輸出促進協議会」の設立総会を同市の健康長寿アクティブ交流センターで開催した。同市は2017年度から2021年度までの国の地方創生推進交付金を活用し、新発田版DMOの活動として米をはじめとした農産物やなどの輸出をしているが、県内で初めて農林水産省の「GFPグローバル産地づくり推進事業補助金」を活用できることになったことから、今回同協議会を立ち上げた。
同日は、二階堂馨新発田市長のほか、県や農業者、金融機関の関係者約30人が出席し、米の輸出に関する情報を共有した。議長には宮村正義新発田市農業委員会会長が就き、二階堂市長は顧問となった。設立総会のあと、海外で日本産米専門店を展開し、同協議会にオブザーバーとして関わる株式会社ワッカジャパン(本社北海道)の佐藤陽介取締役CFOが海外での日本米の動向について講話し、その後意見交換会が行われた。
同協議会は、市長などの海外セールス活動に生産者が同行し、海外市場を調査するほか、海外市場の調査を外部機関に委託するなど、調査活動などを行う。また、同市によると、来年コロナが収束すれば、ニューヨークやハワイに二階堂市長のトップセールスを検討しているという。
同市のこれまでの実績は、2017年度は台湾、香港、シンガポールにコシヒカリ25トン(輸出額600万円)、2018年度は前年よりハワイを加えて、コシヒカリ45トン、こしいぶき108トン(同2,900万円)、2019年度は前年よりニューヨーク、ベトナムを加えて、コシヒカリ52トン、こしいぶき216トン(同5,300万円)、今年度の計画は前年と同じ国で、コシヒカリ113トン、こしいぶき152トン(同5,350万円)となっている。
総会後の意見交換会で、渡辺慎一新潟県農林水産部食品・流通課長は「2019年度の農産物の全体の輸出は今年3月までのためコロナの影響がなく、過去最高となり、米も過去最高だった。昨年度はアメリカでも伸びている。今後は東アジアではないだろう」と述べた。
佐藤取締役は「アジアはこしいぶきが強いが、ハワイは業務用でも個人用でも味にこだわるので、コシヒカリが強い。ハワイのスーパーには玄米が米売り場の半分ほど置いてあるくらい玄米の人気が高い。ハワイの特徴はいいものは続けて買ってくれることだ」と話していた。
委員の1人は「以前、ニューヨークに行ってきたが、アメリカ人も日本食に移行している。米のうまみを分かっており、期待を感じた。ハワイも伸びてくるだろう」と話した。
同協議会の米のアウトバウンドの取り組みは県内でも先進的なものであり、今後の動向が注目される。