新潟県、(株)クボタ(大阪市)、(株)新潟クボタ(新潟市)がスマート農業や脱炭素農業など「新潟県農業の持続的な発展」を図るための連携協定を締結
新潟県、株式会社クボタ(大阪市)、株式会社新潟クボタ(新潟市中央区)は8日、新潟県農業の持続的な発展を図るための連携協定を新潟県庁で締結した。
連携協定は、「みどりの食料システム戦略」の推進に向けたスマート農業の普及や、新潟米の輸出促進に取り組むことで新潟県農業の持続的な発展を図ることを目的に締結した。
みどりの食料システム戦略推進に向けたスマート農業の普及では、「スマート農機の精度向上および効果的導入に向けた試験研究・実証に関すること」、 「新潟県農業大学校など次代の農業の担い手への教育に関すること」 、「農業者および農業関係者などへの研修に関すること」などに取り組む。
新潟米の輸出促進では、 「海外への販売促進に関すること」、「低コスト生産の実証に関すること」に取り組む。
令和4年度から取り組むこととしては、新潟県内のクボタファームにおける最先端のスマート農機や、営農サービス支援システム(KSAS)を活用した化学肥料や燃費の削減などの効果について、新潟県農業総合研究所とクボタ、新潟クボタが共同研究を行なう。また、クボタ、新潟クボタが今年度中にRTK基地局を4基程度設置し、より高い精度でのスマート農機の研究・実証について協力する。さらに、クボタおよび新潟クボタによるスマート農機の実演、研修などを新潟県農業大学校などの学生に対して行なう。このほか、農機や直播などを活用した新潟米の低コスト生産の実証へ協力する。
みどりの食料システム戦略は、昨年3月に持続可能な食料システムの構築に向け、農林水産省が策定。中長期的な観点から調達、生産、加工・流通、消費の各段階の取り組みとカーボンニュートラルなどの環境負荷軽減のイノベーションを推進していく内容となっている。
一方、この日の締結式には新潟県の花角英世知事、クボタの渡邉大取締役専務執行役員、新潟クボタの吉田至夫代表取締役社長が出席した。
花角知事は、「スマート農業の推進では、すでに新潟クボタさんと新潟県は連携をしている。(具体的には)県の農業大学校などでスマート農機の実演などをご一緒させていただいている。また新潟米の輸出ではシンガポールや香港などでプロモーションをやっている。(こうしたなか、)国が昨年、みどりの食料システム戦略を策定し、これまで以上にスマート農業を進め、生産性の向上や環境を意識した持続可能な農業を目指していかなければいかない。県としてはこれまでの実績に加えて、もう一段連携を深め、新潟県の農業をより効率の高いもの、利益を生み出せるもの、持続可能性のある農業に成長させていかなければないことを意識して締結した」と話していた。
クボタの渡邉取締役専務執行役員は、「新潟県とはこれまでもスマート農業の推進や米の輸出拡大において連携したきたが、それぞれの取り組み(農作業の軽量化、効率化、スマート農業の普及、環境と経済を両立した農業、輸出拡大)をより強固にすべく、連携協定に至った。新潟県の有するノウハウや、地域密着ネットワークの強みと、クボタグループがもつ製品、サービス、技術、ノウハウを組み合わせることで新潟県における農業の持続的発展に貢献したい」と話していた。
新潟クボタの吉田代表取締役社長は、「私どもは今回の連携協定に基づいて実務の作業を実施していく。とくに、みどりの食料システム戦略に基づいて持続可能型農業に焦点を当てて色々な研究、教育を実行するのが大きなポイントだと思っている。具体的には、村上にあるNKファームにおいて、(アグリロボトラクター・コンバイン、ドローン、水管理システムなど)営農サービス支援システム(KSAS)を使ったフルスペック農業を実証していきたい。色々な形の合理化、商用化、脱炭素を一つ一つ実証できればと思っている」と話していた。
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