佐渡汽船が2020年12月期第1四半期決算(連結)を発表。新型コロナの影響などにより前年同期比で売上高減
佐渡汽船株式会社は10日、2020年12月期第1四半期決算(連結)を発表した。
第1四半期は、売上高16億7,607万円(前年同期比15.8%減)、営業損失9億1,996万円(前年同期は7億7,224万円の営業損失)、経常損失9億4,886万円(前年同期は7億9,958万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失9億3,043万円(前年同期は8億976万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となった。
第1四半期期間は記録的な暖冬少雪となったものの、カーフェリー「おけさ丸」のサイドスラスター(横移動装置)に不具合が生じ、通常の運航には支障がないものの強風などの状況下においては岸壁への離着岸に支障を来したことから、2月から3月の間は前年と比較してカーフェリーの欠航が増加した(なお、おけさ丸は4月にサイドスラスターの修繕を終えている)。
また、新型コロナウイルス感染症拡大により、学校の臨時休校や不要不急の外出の自粛要請が行われたことを受け、3月以降は観光客および団体客のキャンセルが発生したことから、旅客、航送、貨物の主要三部門とも輸送量は前年同期を下回った。
セグメントごとの経営成績は、以下のとおり。なお、同社グループの売上高は事業の性質上、第3四半期に著しく増加する傾向にあり、季節的変動が顕著という。
【海運】
第1四半期連結累計期間の旅客輸送人員は17万4,810人(前年同期比20.0%減)、自動車航送台数は乗用車換算で3万5,309台(前年同期比9.19%減)、貨物輸送トン数は3万4,800トン(前年同期比4.5%減)となった。売上高は11億1,175万円(前年同期比16.1%減)、営業損失は8億2,764万円(前年同期は7億3,235万円の損失)となった。
【一般貨物自動車運送】
売上高は3億4,227万円(前年同期比10.6%減)、営業損失は736万円(前年同期は1,707万円の利益)となった。
【売店・飲食】
売上高は1億3,700万円(前年同期比18.7%減)、営業損失は3,764万円(前年同期は2,777万円の損失)となった。
【観光】
売上高は3,774万円 (前年同期比20.5%減)、営業損失は5,278万円(前年同期は4,722万円の損失)となった。
【不動産賃貸】
売上高は2,587万円(前年同期比2.9%増)、営業利益は143万円(前年同期比73.6%減)となった。
【その他】
売上高は2,144万円(前年同期比47.5%減)、営業損失は130万円(前年同期は427万円の営業利益)となった。
なお連結業績予想などの将来予測情報に関しては、新型コロナの影響で、旅客輸送量は著しく減少し、直近の3ヵ月は前年同月比で4月は79%減、5月は86%減、6月は64%減となっている。それに伴い、売上高は3月実績よりもさらに大きく減少している状況という。
現在は都道府県をまたぐ移動の自粛は解除されたものの、新型コロナ感染症の収束は見えず、また、感染の第二波、第三波の到来が懸念されるなかで、その影響を見通すことは極めて困難なことから、今年2月19日に公表した2020年12月期の通期連結業績予想および通期個別業績予想をいったん取り下げ、未定とした。