新潟県と農業団体が一丸となり、米粉用米などへの「田んぼ一枚転換運動」を推進することを発表
新潟県と、新潟県農業協同組合中央会など農業団体は15日、県庁で会見を開き、主食用に栽培している田んぼ1枚を、米粉などへの用途の米用に転換した場合、交付金を受けることができる「田んぼ一枚転換運動」を推進するため、用途変更などの申請を8月31日まで延長したと発表した。
現在、主食用米の需要が年々減少していることに加え、新型コロナウイルス対策の活動自粛の影響を受け業務用米や酒用米の需要が著しく減少していることから、今後の米価の下落が懸念されている。そこで、稲作収入の確保と経営の安定化に向け、県内の農家に対し、主食用に栽培する田んぼの1枚を、現在需要が増加している米粉用へ転換することを呼びかけている。
例えば、業務用米として作られる「ゆきん子舞」や酒米の「五百万米」などの田んぼの一部を米粉用米に転換した場合、収量に応じて交付金が加算され、全てを主食米とする場合よりも収入が多くなる。詳しい収入試算などに関しては、17日金曜日に県内各JAを通じて今週金曜日から配られるチラシを参照とのこと。
米粉用米は昨年度全国では約3万6,000トンの需要があったが、供給されたのは約3万トン弱となり、供給が追いついていない。また、今年度は新型ウイルスによる巣篭もり需要などもあってさらなる需要が見込まれていることもあり、県は需要と供給のバランスを取っていくことを目標としている。
新潟県内の水田面積は現在約15万ヘクタールで、その内約10万ヘクタールが主食用米の水田となっている。県は、今回の運動推進により1,200ヘクタール以上、収穫量にして約7,000トンの米を米粉用や加工用に転換していきたい考えだ。
県は今回の運動で、規模に関わらず多くの農家が米需要の現状を理解する契機にもなってほしいと語る。
花角英世知事は「農業団体、農業者の皆様には、米価の下落のリスクに対応するため、現在の状況を理解して、田んぼ1枚を転換してほしい」と語った。