エヌエヌ生命が中小企業経営者に新型コロナに関する調査、第2波の緊急事態宣言発出時の「全従業員出社」最多は新潟
中小企業経営者向け保険を手がけるエヌエヌ生命保険株式会社(東京都渋谷区)は、「第4回新型コロナウイルスによる中小企業の資金需要に関する調査」を行った。それによると、第2波による緊急事態宣言発出時に「全従業員出社」の割合が最も高かったのは新潟県だった。
調査は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって、さまざまな経済的な影響が懸念されているなか、中小企業経営の実態を把握するため、インターネットで6月26日から29日に、全国の中小企業経営者(従業員300人以下の規模の会社経営者、または従業員のいる自営業者)7,232名を対象に行った。なお3月末、4月末、5月末から6月初めにかけても調査を実施している。
調査概要によると、新型コロナウイルス感染症第2波により緊急事態宣言が発出された場合に資金需要が「発生する」との回答は56.3%。3月末と4月末に実施した調査と比較して、20~30ポイント増加する見込みであることが分かった。
「発生する」という回答率を都道府県別に見ると、「島根県」(71.4%)が最も高く、次いで「山口県」(69.2%)、「大分県」(67.7%)となった。
さらに、資金需要が発生すると回答した4,069名を対象に、中小企業向け資金支援策を活用する場合の利用したい用途について聞いたところ、「人件費」(64.9%)が最も多く、次いで「家賃」(36.9%)、「仕入れ費用」(36.2%)と事業を継続していくのに必要な費用が多かった。
第2波によって緊急事態宣言を発出する事態となった場合の経済的な影響に備えて「何か準備をしている」「する予定がある」か質問したところ、「働き方制度の整備・拡充」(16.3%)や「人員の見直し(従業員削減、従業員給与の見直しなど)」(13.5%)など従業員に関連するものが多かった。
第2波により緊急事態宣言が発出された場合、会社の経営ではどのような検討が必要になるかについては、「営業時間の短縮・休業」(30.4%)が最も多く、続いて、「従業員給与・賞与の減額」(19.9%)、「従業員の休職・解雇」(14.4%)と人件費に関するものが多かった。「倒産・廃業」は、約1割(9.0%)だった。
都道府県別では、「営業時間の短縮・休業」は福島県(38.8%)、「従業員給与・賞与の減額」(36.5%)と「従業員の休職・解雇」(30.8%)は山口県が最も高い結果となった。
第2波により緊急事態宣言が発出された場合の出社割合を質問したところ、約半数が全従業員を出社させる予定と回答。業種別では「農業・林業・漁業・鉱業」(70.6%)、「病院・医療機関・福祉業」(66.0%)、卸売・小売業(医薬品・化粧品)」(61.4%)と人々の生活に欠かせない業種が上位を占めた。
都道府県別では、「新潟県」(75.9%)が最も高く、次いで「秋田県」(69.2%)、「長野県」(66.7%)となった。
さらに、従業員を出社させると回答した6,009名に、従業員を出社させる理由について質問したところ、「現場がある仕事だから(工場や建設現場、飲食店など)」が61.9%、「対面のほうがコミュニケーションを取りやすいから」が25.3%を占めた。また、「テレワークを推奨したいが、IT機器などの整備ができないため」は8.2%だった。
コロナ禍は今後の事業承継の計画に影響したか質問したところ、事業承継計画の見直しをはかったという回答は22.7%だった。これは、事業承継計画がある4,388名のうち、約4割という。