新潟県内15件の建築物が新たに有形文化財に登録
国の文化審議会が7月17日に開催され、新潟県内に所在する15件の建造物を国の登録有形文化財に登録されるよう文部科学省大臣に答申した。登録は、答申後に行われる官報報告をもって正式決定となり、新潟県内の登録有形文化財(建造物)は521件になる。
今回、新たに登録有形文化財(新潟県内分)となる15件は以下の通り。
・建築物、産業3次 旧片桐家住宅母屋 (新潟市)
・建築物、産業3次 旧片桐家住宅土蔵 (新潟市)
・建築物、産業2次 旧機那サフラン酒製造本舗主屋 (長岡市)
・建築物、産業2次 旧機那サフラン酒製造本舗離れ屋敷 (長岡市)
・建築物、産業2次 旧機那サフラン酒製造本舗衣装蔵 (長岡市)
・建築物、産業2次 旧機那サフラン酒製造本舗調整蔵 (長岡市)
・建築物、産業2次 旧機那サフラン酒製造本舗醸造蔵 (長岡市)
・建築物、産業2次 旧機那サフラン酒製造本舗一号倉 (長岡市)
・建築物、産業2次 旧機那サフラン酒製造本舗米蔵 (長岡市)
・建築物、産業2次 旧機那サフラン酒製造本舗シチレン蔵 (長岡市)
・建築物、産業2次 旧機那サフラン酒製造本舗石垣 (長岡市)
・土木、交通 大田切橋梁 (妙高市)
・建築物、産業2次 新日本電工株式会社妙高工場赤煉瓦建屋 (妙高市)
・建築物、宗教 浄福寺本堂 (上越市)
旧片桐家
片桐家は明治18年に初代が片桐鮮魚問屋を東堀通十一番町に設けたことに始まる商家。
主屋と土蔵は周囲の景観にもよく馴染み、平面構成や雲筋違などの構法は地域における伝統的な技術を伝承するものとなっている。
旧機那サフラン酒製造本舗
長岡市摂田屋に建つ旧機那サフラン酒製造本舗。創業者吉澤仁太郎は、明治中期頃から薬酒の製造及び販売を行い財をなした。
切妻造の重厚な玄関に「サフラン酒」の看板を掲げた母屋の玄関などが歴史的な景観に寄与しているとして登録基準を満たしたほか、平成18年に先んじて有形文化財に登録された「鏝絵蔵(こてえぐら)」と同じ左官・河上伊吉による鏝絵に飾られた衣装蔵は「再現することが容易でないもの」として評価された。
大田切橋梁
大田切渓谷の深い谷部を横断する鉄道橋。工事監督は内閣鉄道局の本間英一朗で、国鉄創業時代の国の技術基準を示している。
新日本電工株式会社妙高工場赤煉瓦建屋
妙高高原駅近くの敷地に建つ煉瓦造平屋建て、一部二階建ての元カーバイド工場。
関川水系の電源開発に伴う電気化学工業の歴史を物語る貴重な遺構。
浄福寺本堂
明治の大火後に防火対策を意識して建立された鉄筋コンクリート造の浄土真宗本堂。
和風の洗練された雰囲気とコンクリートによる重厚感を兼ね備えた独特な外見と優美な内観を持つ。