ツインバード工業株式会社(新潟県燕市)が2022年2月期決算(連結)、3期連続の増収・営業増益に
ツインバード工業株式会社(新潟県燕市)は13日、2022年2月期決算(連結)を発表した。売上高は128億6,900万円(対前年同期比2.9%増)、営業利益は7億1,900万円(同18.1%増)、経常利益は6億1,000万円(同26.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億1,900万円(同155.6%増)で、3期連続の増収と3期連続の営業利益増益となった。
ツインバード工業では2020年4月に中期経営計画を発表。「TWINBIRDブランド価値向上」「経営品質の向上」「成長事業の進展」を基本戦略に掲げ、財務体質を強化するとともに、成長事業(FPSC事業)の進展に向けた取組みを進めてきた。
上期には新型コロナワクチン接種需要に伴う当社FPSC製品の売上が大きく業績に寄与し、下期には家電業界で最大需要期となる年末年始商戦と新生活商戦に向け、「感動シンプル」のブランドラインにスチームオーブンレンジを導入してリブランディング戦略を加速した。
その結果、中期経営計画3年間の累積業績目標を1年前倒しで達成し、財務体質の強化が計画どおり進み、下期から戦略的投資(キャッシュベース約10億円)の実行を開始した。
セグメント別の業績は、次のとおり。
家電製品事業
前期における調理家電などの巣ごもり需要や、定額給付金などによる家電需要の反動を受け、家電量販市場向けの売上が減速したが、ホテルや病院向けの業務用家電、およびOEM製品などのソリューションビジネスが順調に回復している。
利益面では、「匠プレミアム」ブランドラインを代表する全自動コーヒーメーカーが累計約7万台となる販売を記録するなど好調に推移したほか、下期には最大の需要期である年末年始商戦および新生活商戦に向け、「感動シンプル」ブランドラインにスチームオーブンレンジを投入するなど、戦略的新商品へのシフトを進め、家電製品事業の収益基盤を強化した。
また、商品点数を半分以下に絞込みながらも商品1点当たりの売上を増加、波及効果も含めた収益性の改善を進めたことなどにより、売上総利益率は前期比0.4ポイント改善した。一方、中長期的な成長の起爆剤とすべく、リブランディングや戦略的新商品の開発のため、キャッシュベースで約10億円の戦略的投資を実施した。
この結果、家電製品事業の当連結会計年度における売上高は106億5,800万円となり、前期比2億9,400万円の減収(△2.7%減)、セグメント利益は8億4,700万円となり、前期比6,700万円の減益(△7.4%減)となった。
FPSC事業
新型コロナウイルス感染症ワクチン用ディープフリーザー(SCDF25WL)について武田薬品工業株式会社向け大型案件の出荷を4月にて完了し、さらに厚生労働省からの追加受注についても7月と9月に出荷し、前期からの累計出荷台数は約1万2,000台となった。これらの製品はモデルナ社ワクチンの主な接種先である医療機関や職域接種会場などへの輸送・保管用に使用されており、3回目以降のワクチン接種に向けたリフレッシュサービスを11月より約6,000台実施し、当期業績に寄与した。
この結果、FPSC事業の当連結会計年度における売上高は22億1,100万円となり、前期比6億5,800万円の増収(42.4%増)、セグメント利益は9億600万円となり、前期比2億3,800万円の増益(35.7%増)となった。
4期連続増収を予想
次期における通期業績予想についてツインバード工業は、戦略的新商品を順次投入する効果により4期連続増収を予想している。利益面については、輸入調達コスト上昇の影響を軽減する活動を継続する一方、将来の持続的な事業成長のため、戦略的新商品開発やリブランディング活動、FPSC事業の技術開発など、前期比1.8倍となる年間約18億円(キャッシュベース)の、より大胆な戦略的投資を実行していくという。
そのため、通期における売上高は130億円、営業利益は2億8,000万円、経常利益は2億4,000万円(前期比△60.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億7,000万円(前期比△59.5%減)と予想している。
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