新潟県が11月に「世界錦鯉サミット」と「クールジャパンEXPO」を開催、世界への文化発信で産業や観光の振興に繋げる
新潟県の花角英世知事は13日に定例会見を開き、朱鷺メッセ(新潟市中央区)で11月6日に、錦鯉の輸出促進や文化の交流促進を目的とし各国の駐日大使などを招く「世界錦鯉サミット」を開催することを発表した。またサミットに合わせ、「クールジャパンEXPO in NIIGATA」を同じく朱鷺メッセで開催。アフターコロナにおけるインバウンド需要などにも繋げる狙いだ。
「世界錦鯉サミット」は、県や長岡市、小千谷市、全日本錦鯉振興会で構成する実行委員会が主催。駐日大使に加え、各国の錦鯉業界関係者、関連学会などを招き、パネルディスカッションや基調講演を通じ錦鯉の成り立ちの紹介や文化交流を進める。
花角知事は会見の中で「錦鯉は新潟を代表するコンテンツ。輸出も伸びており、日本全体の輸出の半分を新潟県が占める。産業振興の面で進めていくことに合わせ、日本の文化の象徴としても広めていきたい」とイベントの趣旨を話す。
また花角知事は、「世界各国で生産が始まっている。産地証明や種類の基準など、国際的なルールを整えていかなくてはいけない」とも語る。現在、需要の高まりとともに中国などでも錦鯉の生産が加速するが、この状況へ対しサミットの中では国際基準や産地証明発行システムなどについても話し合う予定だ。
花角知事は、サミットに合わせて11月5日と6日に朱鷺メッセで「クールジャパンEXPO in NIIGATA」を開催することも発表した。新潟県内の日本酒や伝統工芸、マンガ・アニメ、グルメなど、ジャンルを限定せずコンテンツを集約したイベントで、サミットとの同時開催により、アフターコロナにおけるインバウンド需要や海外への文化発信の相乗効果を狙う。
会場は朱鷺メッセの新潟コンベンションセンター「展示ホール」。約200コマのブースの出展と、一般来場者1万人を目指す(一般の入場は無料)。実行委員会の会長には、フラー株式会社の渋谷修太代表取締役会長が就任した。
前述の通り出展者の分野は問わず、商談や異業種交流の機会促進を目指す。また、エキスポ前にも出展者にコラボを促す働きかけや支援を重ねていくという。
開催の発表に際し記者会見を開いた渋谷会長は「『酒の陣』など新潟県には業種ごとに素晴らしいコンテンツがあるが、一堂に会したことはない。サミットで各国から人が訪れるタイミングは、新潟を世界に発信できる機会。錦鯉を買い求める富裕層にこうしたコンテンツをセットで売り込む狙いと、観光客が新潟に訪れる機会を作るという2つのテーマがある」と話す。また、11月の第1回開催を経て、継続するイベントに成長させていくことも目標にしているという。