新潟県教育庁が令和4年度全県教育長会議を開催、学校でのいじめや教職員の多忙化の対策などを検討
新潟県教育庁は13日、県教育委員会の施策の周知と新年度事業の円滑な推進を図るため、市町村教育委員会教育長を対象とした「令和4年度 全県教育長会議」を行った。
新潟県教育庁の佐野哲郎教育長や県教育庁各課長が、令和3年度の施策への取組み状況や、令和4年度における教育委員会の施策などについて説明した。
令和3年度の全国学力学習状況調査において、新潟県内の児童生徒の学力が、全国平均よりやや下回っている結果が出た。令和4年度の施策では、教職員の指導改善への支援を行い、児童生徒の思考力・判断力・表現力などの育成を図る取組みを充実させていく。具体的には、WEB配信システムの問題配信を、年3回から5回程度に増やしていくことや、教科教育専門官育成研修を実施し、専門官を順次各地区へ配置していくという。
いじめ防止・不登校対策については、いじめの認知について市町村間や学校間に差があり、いじめ見逃しや認知漏れが懸念されている状況だと分析した。令和4年度の取組みについては、いじめ対策推進モデル校の2年目の取組みの継続を挙げた。中学校3校をモデル校に指定して、いじめ対策における実践研究の成果を他の学校に波及させて、県全体としていじめの未然防止および認知力や対応力の向上に取り組む。
教職員における多忙化の現状については、時間外勤務が月40時間を超える教職員の割合が、小学校で約4割、中学校で約5割と、依然として深刻な状況になっている。部活動顧問の負担軽減について触れ、令和3年度は部活動の段階的な地域移行に向けて、県内4市で国の事業を活用したモデル事業が実施されたほか、関係団体や保護者などへの説明や意見交換など、情報の周知と理解の浸透に進めてきた。今年度も円滑に進むように、取組みを継続していくという。
また、教職員の非違行為の根絶についても言及があった。令和3年度、小学校教員によるストーカー行為の逮捕事案が発生した。加えて、体罰アンケート調査の結果については、県教育委員会へ89件の報告があり、そのうち8件の体罰があったこと認められたという。非違行為の根絶に向けて、あらためて教職員に対する指導の徹底を呼びかけた。
佐野教育長は、「新潟県教育の基本理念である、1人ひとりを伸ばす教育や、安全安心して学べる学校づくりを実現していくために、連携を図りながら各施策に取り組んでいきたい」と話した。