東京商工リサーチが新潟県社長の年齢調査を公表、平均年齢は過去最高の63.17歳
株式会社東京商工リサーチ新潟支店は21日、調査「新潟県社⻑の年齢調査(2019年12月31日時点)」を公表した。それによると、新潟県における社長の平均年齢(2019年12月31日時点)は前年より0.34歳伸びて63.17歳になった(全国順位8位)。これは調査を開始した2009年以降で、最高年齢を更新したという。
調査は、東京商工リサーチの企業データベース(370万社)から2019年12月時点の代表者の年齢データを抽出、分析した。前回の調査は2019年2月。「社長」は、代表取締役社長のほか、個人事業主や理事長などを含む。
企業業績と社長年齢の相関性は強まり、年齢上昇に伴い減収企業や赤字企業が増える傾向にあるほか、社長が高齢の企業では事業承継の目途が立っていない場合、設備投資の停滞や人員採用の手控えなどで事業が縮小し、さらに業績の低迷を招く悪循環に陥りやすいことがわかったという。
一方、全国平均年齢は62.16歳、年齢別では70歳以上が初めて最多となるなど、高齢化が進んでいる。傾向として、若年層の減少が進む県ほど、社長の若返りの遅れや若手ベンチャー社長の出現も少ない。新潟県においては30代以下の構成は2.15%と減少傾向が続いている。
また、2019年に「休廃業・解散」した新潟県内企業の社長の平均年齢は70.45歳で、生存企業の平均年齢より7.28歳高かった。「休廃業・解散」した企業の社長は、70代以上が56.11%と、構成比は上昇を続けており、高齢化と業績悪化や事業承継の停滞は関連性が強まっていることがわかった。
年齢分布70代以上の構成が連続して上昇
2019年の社長の年齢分布は、引き続き60代の構成比が32.99%と最も高いものの、低下傾向にある。一方、70代以上の構成比は31.58%と連続して上昇しており、60代に迫る勢いとなっている。他の世代では、30代以下から60代とすべての世代で構成比は低下した。
産業別平均年齢 最高は不動産業の65.86歳
産業別の平均年齢は、最高が不動産業の65.86歳。次いで、小売業の64.63歳が続いている。最低は情報通信業の59.61歳であった。
年代別の年齢分布では、60代で金融・保険業の40.46%が最高、70代以上で不動産業が40.03%と突出している。30代以下の最高は情報通信業の2.98%だった。
年齢別企業業績 年齢に反比例して増収企業が低下
社長の年齢別の企業業績は、「増収」は30代以下で58.59%と最も大きいが、年齢と反比例して減少し、70代以上では46.78%にとどまる。70代以上は「赤字」や「連続赤字」の割合が年代比較で最も大きく、社長の高齢化と業績低迷には相関がみられたという。
業種別ランキング 金融やインフラ企業には60代の社長が多い
業種別の社長(理事長などを含む)の平均年齢は、農協や漁協など「協同組合」が最高の68.59歳だった。次いで、洋品店や呉服店などの「織物・衣服・身の回り品小売業」が68.55歳、幼稚園から大学、専修学校まで含む「学校教育」が66.84歳と続く。
70代以上の社長が占める割合は、「織物・衣服・身の回り品小売業」が52.86%で最高、「協同組合」が49.04%と続く。60代は「電気機械器具製造業」が50.00%で、最も高い。全体構成比で32.99%(7,736人)と最も多い60代の社長は、「医療業」のほか、各種の製造業など幅広い業種が見られる。
30代以下と40代では、「保険業」や「専門サービス業」、「飲食店」などが目立ち、初期投資を抑えられ、参入障壁の低い業種に若年の社長が多い。
「休廃業・解散」企業の社長は生存企業より7歳以上高い
2019年に休廃業・解散した企業では、社長の平均年齢は70.45歳で、上昇傾向が続いている。生存企業の平均年齢(63.17歳)との差は7.28歳で、前年の7.47歳から0.19歳縮小した。「休廃業・解散」企業の社長の年齢別分布は、70代以上が56.11%と過半数を占め、代表者の高齢化をきっかけに事業継続を諦めるケースが多いことが伺える。