注目が集まり始めるサバティカル休暇
「サバティカル休暇」という休暇制度が注目され始めている。一定期間勤務した従業員や、優秀な成果を収めた従業員に、数カ月〜1年程度の長期休暇を与える制度で、旧約聖書に出てくる「サバティカス(安息日)」に由来している。休暇中に、国内外の大学院や専門学校、海外ボランティアなどで学び直し、休暇明けには同じポジションに復帰できるという。
欧米では広く普及し、休暇の目的は問われないが、自己啓発や学び直し、ボランティアに取り組む人が多いという。「人生100年時代」の到来を見据え、日本企業の中でも導入企業が増え始めている。ソニーでは私費就学のための休職を最長2年間取得できる制度を導入しているほか、ヤフージャパンでは、サバティカル制度という名称で、勤続10年以上の正社員に2~3カ月の休暇を与えている(一定期間、支援金を支給する)。また、ぐるなびでは、勤続5年で、「3日間と活動支援金2万円」を付与するプチ・サバティカル制度を導入しているほか、リクルートテクノロジーズも「最大28日と応援手当30万円」を付与する制度を導入している。
地方の企業では、医療システム開発のファインデックス(愛媛県)が10年勤務するごとに最長6カ月の休暇を付与するサバティカル制度を導入している。「留学」、「旅行」、「競合他社以外での副業」など休暇の過ごし方は自由で、基本給の3割を支給するという。
人づくり革命を掲げる国でも、厚生労働省が学び直し休暇を普及を後押しするため、2019年度から導入企業へ助成金支給を始めるほか、経済産業省でもサバティカル休暇の導入を企業に呼び掛ける方向という。