新潟県地中熱利用研究会が「地中熱利用率普及促進セミナー」を開催
地中熱の最新動向などについて解説
地中熱利用システムの普及活動を行う「新潟県地中熱利用研究会」は23日、村上市で「地中熱利用率普及促進セミナー」を開催した。
年中ほぼ一定の15度という地中熱エネルギーを深さ50~100mの地下から、わずかな電気を使って汲みあげて、住宅、ビル、病院、福祉施設などの冷暖房や、ハウス栽培、プールなどの温度調節、融雪などに活用するシステム(夏は室内の冷房に活用し、冬は融雪、室内の暖房に活用する)。
公共施設でみると、新潟市役所前のバス停周辺の歩道や、新潟駅南口の歩道、柏崎市吉井の歩道、阿賀町津川のバス停、上越市安塚区の車道などに(地中熱を使った)融雪システムが導入されたほか、十日町消防本部(空調や融雪)で導入されている。また、2030年度までにエネルギー自給率を10%に引き上げる目標を掲げる柏崎市では、「柏崎市地域エネルギービジョン」を策定し市内の小中学校などに地中熱などのシステム導入を推進している。
この日のセミナーでは、本格普及に向けて足かせとなっている初期費用についての話があった。その初期費用だが、一般家庭の場合で、およそ120~150万円がかかり、県の「家庭用地中熱利用設備補助金」を活用した場合でも、その額はおよそ80~100万円かかる。だが冷暖房費はおよそ半額になることから、いずれ回収はできるという。
新潟県地中熱利用研究会は、平成24年の発足。東京、秋田、群馬、山梨など各地で普及に向けた動きが出てきたことから、新潟でも地中熱を普及させていこうと、池野氏が旗振り役となり設立した。現在、県内企業32社、県内21自治体、4法人、新潟県、大学などが会員特別会員、顧問などとして名を連ねている(平成30年5月現在)。