新潟経済社会リサーチセンターが2020年上期の新潟県企業動向調査を発表

資料より

一般財団法人新潟経済社会リサーチセンターは28日、新潟県内1,000社にアンケートを実施しまとめた2020年上期の新潟県企業動向調査を発表した。2009年10月ー12月期以来、10年半ぶりの低水準まで大幅に悪化したとしており、先行きも一段と悪化する見通しだとしている。

それによると、2020年1月―3月期における県内企業の業況判断BSIはマイナス26.6となった。BSIとはビジネス・サーベイ・インデックスの略で、アンケートの回答結果を指数化したもの。同レポートでのBSIは業況あるいは、先行き見通しが「良い」か「悪い」かという質問に対して、「プラス」「中立」「マイナス」の3つの選択肢を用意して、プラスと回答した企業の割合からマイナスと回答した企業の割合を差し引いた数値のことをいう。暖冬少雪による季節商品などが低調で、2019年10月ー12月期のマイナス25.5から低下した。

また、2020年4月―6月期はマイナス52.8となり、同1月―3月期と比較して26.2ポイント低下した。新型コロナウイルスの影響から、低水準となった。先行きを示す見通しBSIも2020年7月―9月期がマイナス63.9、10月―12月期はマイナス57.9と悪化が見込まれている。

業種別に見ると、製造業は2020年1月―3月期がマイナス25.8となり、2019年10月―12月期比でほぼ横ばいとなった。続く、4月―6月期はマイナス53・6と低下。窯業などは上昇したものの、それ以外のすべての業種で低下した。非製造業は2020年4月―6月期はマイナス52.2と同1月―3月期に比べて25ポイント低下した。先行きは製造業、非製造業ともにさらに低下する見通しが示されているとしている。

一方、設備投資については、2020年度における設備投資の実施企業割合は52.6%となり、前年度実績を12.5ポイント下回る見込みとなった。実施企業割合を業種別に見ると、製造業が62.4%、非製造業が45.5%となっている。2020年度の設備投資額は前年度実績比17.2%減と下回る見通し。業種別では製造業は2019年度比21.6%減、非製造業は同10.4%減。規模別では中堅企業が2019年度比22.4%増と上回っている一方、大企業が同7.2%減、中小企業も同28.6%減と苦戦した。

また、経営上の問題を複数回答で質問したところ、「先行き見通し難」が60.8%で最も高く、経営上の問題を調査し始めた1978年5月の調査以来、初めてトップとなった。次いで、「生産・受注・売上の不振」が56.4%、「人材不足」が44.3%となっている。

同レポートは、まとめとして、先行きを示す見通しBSIはさらなる低下が見込まれており、また、経営上の問題でも「先行き見通し難」が最も高くなるなど、慎重な見方が広がっていると分析している。今後も新型コロナウイルスの完全な収束までは経済の本格的な回復は難しいと思われると結んでいる。

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