新潟県燕市の鈴木力市長が会見、新型コロナ対策や経済活動を両立した政策を発表
燕市の鈴木力市長は30日定例会見を行い、市内企業への唾液PCR検査費用の補助の実施や、中学3年生が学生生活での成果を発表することを応援する事業「フィニックス600」の実施などの発表を行った。
燕市は市独自の新型コロナウイルス感染症緊急対策として現在まで、第1弾「ふるさと燕を守ろう!フィニックス11」と第2弾「プラス5」を総額7.8億円規模で推進してきた。
前回の「プラス5」では、出張ができない、商談ができないという悩みを解決するために、オンライン営業の推進や見本市出店への補助金の出資などを実施したが、今回はリアルでの会合や出張、営業を安心して行うために、企業が社員の唾液PCR検査することへの補助金を出すこととなった。
唾液唾液PCR検査を実施
具体的には、市内の事業者で燕市に納税義務があり、かつ滞納のない人が、民間医療機関が実施する唾液PCR検査にかかる検査費用を8,000円保証するというもの。保証の上限は従業員数20人以下で15検体、21人以上で30検体、100人以上の場合は50検体までとなる。対象期間は、8月1日から令和3年の3月31日まで。
また企業以外にも、教育実習などの研修に取り組むために県を訪れる学生へ対しての補助金発表された。こちらは検査費用の全額となる1万5,000円の負担となる。
検査の対象者は、本人または保護者が燕市に住所を有しており、燕市または近郊の学校などにおいて教育実習を行う人。対象となる実習は、教育実習、保育実習、看護実習、介護実習など。対象期間は企業の場合と同様に、8月1日から令和3年の3月31日まで。
陽性反応が出た場合は、医療機関に受診し唾液検査ではない大規模なPCR検査を受けてもらい、陰性となった後に改めて実習を行ってもらいたいという。
鈴木市長は、「教育実習などの研修は免許を取るために絶対必要なものであり、学生の未来を考えた際にはしっかり補助しなければいけないもの」と話した。
現在、9月以降に教育実習を行う学生は52人確認されており、予算額はこの数字に余裕を持たせた100人の検査を行う事ができる150万円を設定している。そのほか、就職活動やインターンによる県外からの移動については企業側の補助金を利用してほしいという。
こうした自治体がPCR検査の補助を行うのは県内では初で、全国的にも非常に少ない取り組みである。また、就職活動などの検査は今後の状況を見て協議をしていくという。
市内中学3年生を対象として応援事業を実施
さらに、現在部活動などの発表の場が無くなってしまっている市内の中学3年生を対象として、応援事業「フィニックス600」の実施を発表した。すでに6月21日から7月26日までに部活動の成果を発表する場として市内中学3年生600人を対象とした交流試合を行っているが、これに加えてオリンピック選手などの一流講師や県内協議団体を招いての指導や講演を行う。また、文化系部活の面では一流音楽家を招いてのコンサートや指導や、朗読劇「家族草子」の開催を行う予定である。
加えて、今年は大会がなく、学校にトロフィーが残せない、という声に答える形で、今回のイベントを記念した「フェニックス600記念プレート」と額縁入り趣意書を学校へ贈呈する。招かれるアスリートやアーティストに関しての詳細は現在協議中であるという。
また、毎年5月に開催されていた「英語スピーチコンテスト」の開催が8月29日の午後1時からに決定した。会場は燕文化会館大ホールで、参加者は生徒児童合わせて15名程度を予定している。今年のテーマは「燕でやりたい! こんなお仕事」。小・中学生の区別なく審査され、優秀賞8名、うち1人が最優秀賞に選ばれる。例年であれば成績優秀者は親善大使としてオーストラリアやシンガポールなどへ海外派遣が行われるものの、今年は新型コロナウイルスの影響により、派遣を来年に持ち越すなどの代替案が計画されている。
「敬老お祝いクーポン」の発行
新型コロナ対策と経済の両立を考えた策としてさらに、75歳以上の人を対象とした今年度の「敬老会」の中止と、それに代わる「敬老お祝いクーポン」の発行が発表された。
市内に住む75歳以上の1万3,149人を対象に、「燕応援フェニックスクーポン取扱事業者」として登録されている店舗で使用できる1,000円クーポン2枚が贈呈される。贈呈は9月1日までに行われ、使用期限は10月31日まで。
関連して、「プラス5」の事業である「燕応援フィニックスクーポン」も広報つばめ8月1日号と共に発行される。前回、広報つばめ6月15日号で配布されたクーポンでは主にデリバリーを中心とした食事を対象としていたが、今回は額面や使用可能店舗を拡大し、市内231の店舗で使用する事ができる。
「つばコン★恋の収穫祭」の開催
また、「つばコン★恋の収穫祭」の開催が決定した。こちらは30・40代の男女を対象としたイベントで、10月18日に行われる。
「つばコン」は平成27年から12回開催し、今まで91組のカップルが成立、さらに11組みの結婚が行われた。今年の会場は旧吉田町の「ひうら農場」。特産品もとまちきゅうりの収穫をしながら出会いを探し、後に成婚し燕市に住むカップルにはプレゼントが贈呈される。
「つばめ輝く女性表彰2020」の候補者募集も開始
「つばめ輝く女性表彰2020」の候補者募集も開始した。このイベントは今回で5回目であり、職場でも地域でも、あらゆる場面で女性が存分に能力を発揮して活躍できる社会環境の実現を目指して開催されている。自選・他選は問はず、様々な分野で挑戦する女性が選ばれる。