はばたき信用組合(新潟市江南区)と三條信用組合(新潟県三条市)が合併を発表、宇野勝雄理事長「強固な経営基盤構築を目指す」
はばたき信用組合(新潟市江南区)と三條信用組合(新潟県三条市)が21日、2023年12月を目途に合併することを発表した。合併は対等合併とし、手続き上は「はばたき信用組合」を存続信用組合とする。合併による経営基盤の強化などを目的とし、合併後の名称は存続組合である「はばたき信用組合」となる。
合併は、両組合は金融機関を取り巻く環境が不透明である点などが理由となる。金融機関を取り巻く厳しい経営環境下において、両組合の営業基盤や経営資源を統合することで効率化を図り、強固な経営基盤を構築することなどを目的とする。
2021年3月末時点で両組合の経営指標を合算すると、合併後の預金額は1,600億7,400万円で県内の信用組合において第3位。貸出額においては、834億8,100万円で県内信用組合第2位の規模となる。また、自己資本比率は10.26%、合併後の組合員は、47,422人、役職員数は186人、店舗数は19店舗となる。
合併については2021年秋ころに話が浮上し、2022年3月から正式な協議に入った。4月中に合併準備委員会を設立の上、具体的な協議を進めていくという。また、役職員数の調整や人員削減などについては、現時点では考えていないとした一方、店舗の統廃合については「可能性としてはありえる」(宇野勝雄理事長)。
はばたき信用組合の宇野理事長は、合併に踏み切ったことついて「(現在は)新型コロナの影響を受けた飲食業やホテル業への融資先が多くあり、苦戦している状況。さらにここへきて、物価の上昇があり、製造業などの財務状況が厳しさを増してきている。今後安定した経営を維持していくためには、ある程度の規模を保有した方がより一層安定すると判断した」と話した。
一方、合併後に名称が「はばたき信用組合」となり「三條」という名前が無くなることについて、三條信用組合の佐藤一正理事長は、「三條信用組合という名前で70年やってきたので、名前が変わることには一抹の寂しさがある。しかし、はばたき信用組合も元は新栄信用組合とさくらの街信用組合が一緒になって『はばたき信用組合』になっているので、致し方ないという気持ちだ」と話した。